個人研究
算数科:
岡田 健

岡田 健(おかだ たけし)と申します。
附属新潟小学校2年目です。研究教科は算数科です。
今年度は,低学年複式学級を担任します。
1年生8人,2年生8人の少人数だからこそできる主体的な学びを,子どもたちの対話を通して実現します。
今年度の研究のキーワードは,友達の考えを理解するための「追体験」です。
自分にない考えと遭遇したとき,子どもたちは,説明を聞いたり読んだりして理解しようとします。
しかしそれだけでは,解法の意図や背景,よさまで理解するのは難しいことです。自分の考えにこだわりが強い低学年であれば,なおさらです。そこで,友達の解法を追体験することで,理解を深めます。今年度は,様々な単元や授業場面で,「追体験」を実践することを通して,どのような場面において,どのような仕組みで追体験を行うことが有効なのかを追究していきます。
どうぞよろしくお願いします。
メール:okada@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp
(お気軽に,ご意見・ご感想をお寄せください。)
「追体験」で友達の考えを理解しよう!
2021.01.04習熟だけではもったいない!
2020.06.01臨時休校や分散登校が終わり,ようやく全員そろって対面での授業が可能となった学校が多いのではないでしょうか。嬉しい反面,「遅れた分を取り戻さなくては…」「限られた時数でどうやって学習を終わらせればよいのか」など悩みは尽きません。
「数と計算」領域では,『○○の筆算』の単元が度々登場します。筆算のアルゴリズムを覚えて練習し,「筆算ができるようになる」ということは,もちろん技能面では大切なことです。
しかし,筆算の習熟を図って終わりにするだけでは…
もったいない!!
なぜなら,ブロックなどの半具体物や図,動作化による再現など,様々な方法を使って式の意味理解を深めることができるチャンスだからです。
今回は,単元の時数は減らしつつ,たし算の式の意味理解を深めるための実践です。
第2学年で扱う計算のきまりの一つである「交換法則」の授業場面で提案します。







教科書の内容を大きく変えて授業する必要はありません。
「問題提示の仕方」
「かかわりあいのさせ方」
この2つに一工夫を加えるだけで,大きく変わります。
この授業で,「何をどのように学ばせるのか」を前もって決めて,単元構成・授業作りをしましょう。
この授業については,6月12日(金)のGATA-KEN onlineで提案します。附属新潟小学校算数部3人で座談会のように語り合います。詳細は,当校ホームページをご覧ください。お待ちしています!
遠隔授業はじめの一歩
2020.05.08臨時休業が始まって,当たり前に授業ができていることがどれだけ幸せなことだったのかを実感しています。一方的に課題を出すだけでは物足りない…。
子どもとやりとりがしたい!
そんな想いから,オンライン学習では,「ロイロノートスクール」というアプリを使って,以下のような流れで授業を行いました。第2学年での実践です。






子どもたちが家にいながら,学校でみんなと学習しているかのような授業。算数科としての学びは保障しつつも,子ども同士の心もつないでいければいいなと思います。これからも,いろいろと試していきますので,ご意見ご感想お願いします。
初等教育研究会「最速・最適につないで解決へ!~割合~」
2020.01.20割合の難しさとは…?
小学校算数において,「割合は難しい」ということが,一度は話題にあがったことがあるのではないでしょうか。
割合について,新潟市で使われている学校図書の教科書では,次のように書かれています。
「シュート数の成績やこみぐあいを表す数のように,もとにする量を1として,比べられる量がいくつにあたるかを表した数を割合といいます」
日本数学教育学会編著の算数教育指導用語辞典(第五版)には,次のように書かれています。
「二つの数または同種の量A,Bについて,AがBの何倍であるかを表した数Pを,AのBに対する割合という」
以上のことから,割合は,
二量の関係をあらわすもの
と言えます。
割合の難しさは,
「比べられる量÷もとにする量を計算して表されたものは,何を意味するのか」
「なぜ,比べられる量÷もとにする量という式で割合を求めるのか」
といったように,
割合という関係の意味理解が難しいということ
と,考えられます。
割合は,その関係を求める式の意味が分かることによって理解されると考えています。これには,関係を捉え,それを式に表していく過程に子どもが主体的にかかわっていくことが必要です。そのため,本単元では,
単元の導入場面にプログラミング的思考を用います。

今回の初等研授業では,
・数直線に関係を表す場面
・数直線をもとに式をつくる場面
に,プログラミング的思考を働かせます。
みんなでつくった問いに,真剣に向き合う子どもたちの姿を,初等研でぜひご覧ください!
2月6日,7日は,中学校武道場でお待ちしています。
第5学年「変わり方を調べよう~比例~」
2019.08.13単位量当たりの大きさや倍の考えを比例と捉え直すためには…?
比例の定義を学習し,表から2つの数量の関係を読み取ることが少しずつできるようになってきた子どもたち。そんな子どもたちに,比例しているのですが,一見すると比例していないような関係を提示します。すると,「×□が何倍すればいいか分からない」「83÷6は割り切れない」などと反応しました。そこから学習課題を共有し,自力解決へと進んでいきましたが…。
既習の比例を適用した問題場面では,たくさんの子が発言できました。 2量の関係を図を用いて説明しています。 単位量当たりの考えに着目した子が,引き続き説明をしました。 類題を用いた振り返りでは,一人一人が図・式・言葉を使って記述できました。
自力解決後の全体共有の場面では,単位量当たりの考えと倍の考えは,それぞれ出されました。しかし,その後に共通点を問うだけでは,それらを「比例という視点で捉え直そう」という思考を生むことはできませんでした。練り上げ場面での働き掛けにさらなる工夫が必要だと感じました。
成果と課題をしっかりと分析し,日々の実践を積み重ねていきます。