個人研究

算数科: 志田 倫明

算数科: 志田 倫明

今年度は,研究主任&4学年担任をします。

 

あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し,将来の予測が困難な状態が進む社会。

このような社会において,テストや学校の成績が,人生における成功を予測しえないということは繰り返し指摘されています。

子どもの,そして教師の学習観を変える必要があります。

 

例えば,統合的,発展的に考察する力は,

異なる多様な考えや価値が認められてこそ発揮される力,

であるならば,いつまでも個の問題解決力を求めるのではなく,

異なる他者と集団で問題解決し知を創り出すような学習観に変えていくことが必要ではないでしょうか。

 

手早くスマートに知識量,記憶量を増やすという学習観ではなく,

多様な考えや価値に触れ,失敗を乗り越えながら自分を変えることに価値を見い出すような学習観に変えていくことが必要ではないでしょうか。

 

多様性を大事にすることで,なかなか納得に向かうことが難しくなる。

しかし,その中で納得を導こうとするから,論理的に考える力が育つのではないのでしょうか。

 

変化の激しい今だからこそ,これまでの当たり前を「変える」ことを思い切って提案していきたいと思います。

「変える」営みの中で,「変わらないこと」が見えてくるのだと信じて。

 

御批正,御指導よろしくお願いいたします。

ご意見,ご相談など,気軽にご連絡ください。

shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

 

違いを明らかにする

2020.06.02

算数の授業で何を大切にするか?

算数を知れば知るほど,たくさんの大切にすべきことがあり,一言で表現するのは難しいことです。

今回は日々の授業を通して感じる子どもの姿を視点に,算数で大切にすべきことを紹介します。算数・数学の視点から見られるとずれていることがあるかもしれませんが,思い切って提案することで,ご意見をたくさんいただきたいという思いからの提案です。

日々の授業を通して感じるのは,子どもは(いや人は)「同じと見たい」「同じでいたい」と感じやすいということです。

○様々な教室から聞こえてくる「同じでーす」の揃った声。

○同じ発表や講演を聞いている人は,全員が同じように理解したと思ってしまう考え。

○何かを考えるとき,みんなも同じように感じていて欲しいなあという思い。

様々なところで,「同じ」という幻想を抱いているのではないでしょうか。でも,現実はそんなことはありません。

○答えは同じでも,方法や考え方は異なります。

○同じ説明を聞いても,聞き取れている内容やそこから感じることは異なります。

○考えの基となる経験やその関連付け方は異なります。

いや,違っていることが自然なのです。

算数で大切にしたい,数学的な考え方,例えば帰納,類推,演繹的な考え方,統合的・発展的な考え方等,基本は“同じと見る”ことを求めています。

でも,教師が同じと見ることを急ぎすぎるあまり,子どもが大事な考え方を働かせることができない失敗を何度も経験してきました。

理由は,子ども自身が違いを明らかにできていないことです。

「違い」が明確になるから「同じ」に目が向き始める。

こんな思いで,行った実践4年生「1けたでわるわり算」を紹介します。

詳細は,近日中に開催するGATA-KEN onlineでもお話しします。

ご意見,ご質問,お問い合わせは,メールでお願いします。

shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

子どもが考える対策

2020.05.12

臨時休業中の分散登校が始まりました。

先日,ズームでの朝の会で「来週から登校が始まるよ!」と伝えたときの子どもたちの表情は忘れることができません。

目をまんまるにして,大きく開けた口を手で押さえ2〜3秒のフリーズ,,,その後,大歓声が起こりました。休校中いろいろな思いを我慢して頑張って過ごしていたことが,こんな場面からも伝わってきました。

さて,子どもたちが登校するとなると,学校側は感染拡大防止のための対策を様々準備すると思います。

しかし,その一つ一つの取組の意味を子どもたちは本当に理解できているのでしょうか。

「なぜ今までできていた遊びができないの?」

「何で半分ずつしか登校できないの?」

大人が子どものために行っている取組も,子どもからすると「押し付けられている」「制限されている」と感じてしまっては残念ですね。

私は,大人が真剣に考えているこの課題を,大人だけでなく子ども自身が考えるようにすることを提案します。今目の前にある課題は,子どもにとっても切実の課題であり,決まった取組の結果,行動を変容させなければいけないのは子ども自身だからです。

今回は,「教室の環境づくり」についてです。

「原則は確認して,方法は子どもが考える」ということを基本とします。

そこで,はじめに原則「身体的な距離を確保が必要なこと」を確認します。


すると子どもは,買い物場面やニュースで聞いたことなどの経験を持ち出します。

図にかいて考えるよう指示を出します。

※人数や教室の広さはそれぞれの状況に応じて決めてください。私の学校は8m×8mの教室に18人ずつの分散登校でしたのでそのまま扱いました。この条件が偶然にも算数の力の発揮につながっていきます。

うまく並べたいという理想と並べられないという現実にさを感じたとき,子どもは課題を明確にします。

解決できたと思っている子どもたち。でも実際にやらせてみると,これがうまくいきません。

活動の中で出てくる一人一人の困ったことを共有することで,対話的に解決のアイディアを生み出していきます。全員の机が教室に並んだ時には,拍手が起こり一体感が高まりました。

「この距離(2m)は教室にいるときだけじゃなくて,いつでも大切にしなきゃいけないね」

「これでは,クラス全員がみんな登校してきたら,教室に入ることができない。だから,半分ずつ交互に投稿するんだね」

と,活動後の子どもの声から,取組の意味を実感したことが伝わってきました。

子どもの心に目を向けよう

2020.05.08

「学びを止めるな」のスローガンのもと,それぞれの場所で懸命な取組が行われています。そのことは大いに共感できるところですが,ややもすると教師の都合が優先されていないかと危惧しています。自戒の念を込めて。

「遠隔授業どうすれば?」「授業時数を確保するには?」

「指導内容をどうやって終わらせる?」  など

私たちが懸命に考えていることは,子どもより教師の願いや都合を優先していないでしょうか。

「子どもは遠隔授業で考えようとしているか?」

「子どもは教師や友達との関わりを実感できているか?」

「子どもはその学習に必要感を持っているか?」

「子どもは今何を求めているのだろう・・・」と子どもの心に目を向けるからこそ,私たちの考えるべきことが見えてくるのだと信じています。

子どもは人との関係の中で学びます。そして人とのつながりを求めています。だからこそ,子どもが他者との関わりの中で知を創っていく学習や活動を考えていきたいと思います。

つながりにくい今だからこそ,つながる方法を諦めずに追究したいのです。

今回は,在宅中にご家族の協力を得ながら,つながり,学びを生む活動「大きな数カードゲーム」を紹介します。

ここまで提示し,子どもに活動の時間をとります。

ご家族の協力のもと,関わりながら活動を複数回行います。

活動の様子は動画で記録し,振り返りを書いたのち,ロイロノートで提出します。

動画で一人一人の活動の様子を見とることができます。

ここまでが大まかな学習の流れです。

これ以降は,参考資料として,この活動に子どもや保護者がどのように参加しどのようなことを感じたのか,写真やコメントをご紹介します。

どのご家庭からも,前向きにご協力いただき,本当に感謝しています。

 このように活動の様子が伝わり,こういう時だからこそ,これまで以上に学校と家庭,地域が協力していくことが大切だと感じました。そして,一人一人の子どもの心に目を向け,子どもの心とつながる学びを実現していきたいと,改めて思いました。

臨時休業中の学びをどのように進めるか,悩みながら進めています。

ご意見,ご質問,ご感想等,頂けたら幸いです。

mail:shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

「解釈」と「修正」が学びを創る

2020.01.26

今年度の初等教育研究会まで,後10日ほどとなりました。

素直で自由で,自ら学びを生かす素晴らしい子どもたちが学ぶ姿を,たくさんの方にご覧いただけたら嬉しいです。

まだまだ申し込みを受け付けておりますので,ぜひお越しください。

私の研究しているテーマは「解釈」と「修正」の二つの活動によって,子ども自身が深く考える学び方を獲得していく授業です。

これからの社会は「与えられた問題について正しく答えを導く力」よりも,「まず行動してみて,得られた結果に応じて修正できる力」が価値があり必要であると言われています。

であるなら,私たちの教師の授業観も今一度考え直してみる必要があると思うのです。

私は,「例え結果は間違っていたとしても,そこまで考えた過程には価値がある」と子どもの学びを捉えることを大切にしています。

4年生の分数の授業でその具体を説明します。

私「みんなはリボン屋さんです」

私「さあお客さんです。リボンを渡しましょう」


まず,「1/3mだったらどこで切って渡す?」と尋ねます。

ほぼ全員が,ここを指します。中には,違うところを指したり判断できなかったりする子どももいます。

そこで,まずは,この矢印の部分だと答えた友達の考えを解釈させます。

私「どうしてここだと判断したか,この人たちの頭の中は予想できる?」

3等分した1つ分という分割のイメージを根拠にあげます。

みんなも納得してしまいます。

「しまいます」と書いたのは,この答えは間違いだからです。「2/3m」は量を表す表現なので,1mを基にした時の2/3にあたる長さです。しかし,子どもたちは提示された2mを基にした時の2/3にあたる長さを答えています。

しかも,数名を除いてほぼ全員が納得してしまっています。

多くの場合,このような考えが分かれた場面で「どっちが正解かな」「どのように考えたらよいかな」と解決に向けた議論をさせてしまいます。しかし,それでは,二項対立の構図になり,一方が間違い,もう一方が正解の議論になってしまいます。

私は,間違いの解釈を進め,必要に応じて修正を繰り返していく,その先に正解があるという協働的な学びを進めたいと考えます。

ですから,例え間違いだとしても,この根拠を認めて受け止め,さらに他の場面に適用させることで,誤った考えの解釈を進めることを考えました。

ちゃんと理由が言えるところから,考えの解釈が進んでいることが分かります。

もう子どもは止まりません。教師の先を歩きたがります。

ここまできて,子どもたちはやっと,この考えで進めた時に生じる問題に気づき始めます。

この気づき始めた状態,何か言いたい状態になってから,私は次のように問います。

すると,今まで気づかなかった子ども,問題を見つけ次のように説明します。

この問題を全員で確認して,やっと修正活動に入ります。

この場面の3等分した1つ分と導入場面の3等分した1つ分は,言葉は一緒だけど何が違うのかを問います。

子どもは,基にする量が1mと2mで異なることを確認しました。

こうして,「何を基にするか」,「つまり何を1とみるか」というこの学習の大切な考え方を明らかにできたのです。

このまま修正を続けると次のようになります。

ここで,全部修正できたことを認めると,子どもは,「2/3mだった場所がまだ修正できていない」というのです。これには参りました。


こうして,1を超える分数の表現に,自然な流れでつなげていくことできました。

例えばこのような授業が,友達の考えを解釈し,状況に合わせて修正していく力を育てる授業の一つの形です。

2月の研究会でも,生き生きと学ぶ子どもたちをご覧いただけると思います。

お会いできるのを楽しみにしています。

子どもの内面を捉える

2019.12.13


大学3年生は二週間の教育実習で6〜8時間の授業を行います。授業をすると,様々な気付きがあるようで,毎日の日誌は私も学ぶことの多い実践記録になっています。ある日の日誌には,次のような気付きが書かれていました。

今日の授業では,様々な課題が見つかりました。1つ目は私が勝手に子どもたちの考えを解釈して「〜と考えたんだよね」と言ってしまうことです。そう発言した時,子どもたちの顔が曇ってしまったことから,無理に解釈するのはあまりよくないことなのだと感じました。なぜなら,もしかしたら子どもたちは,別の理由で「考え」を言ってくれたかもしれないのに,私がそこで「〜なんだよね」と断定形で言い換えてしまうと,圧力をかけていることにつながってしまうことに気が付いたからです。

緊張する授業の中で,子供をよく見ているなあと感心。しかも,積極的にアピールする子どもではなく,顔が曇った子どもの表情を捉えるなんて,,,脱帽です。

授業中,子どもは様々な感情表現をします。この表現一つ一つを捉えることも大切ですが,私は表現の変化を捉えることが特に大切だと考えます。

そこにこそ,子どもの内面が現れるからです。

2つ目は分からない人の気持ちに寄り添うことです。私自身算数がものすごく苦手で嫌いだったので,本来は「分からない子たち」の立場をよくわかってあげられると考えていましたが,いざ授業を行うと進めることに必死で「進める」ことだけに集中してしまいました。すると,子どもたちの表情も次第に暗くなっていくのが分かりました。

「次第に暗くなっていく」この表現からは,子どもが導入時には明るい表情をしていたのに,授業が進むにつれ表情が暗く変化していく様子が伺えます。

表情が変化するということは,子どもの内面に変化を引き起こす要因が授業の中にあるということです。それを見出して改善しなければいけません。

さらにいうならば,子供が主体となる学びを実現するためには,あらかじめ決めていた計画をただ進めるだけの教師より,子供の内面を見取り寄り添って一緒に考えられる教師が必要だということです。

大学生の日誌から,改めて気付かされた大切なこと。

ひょっとすると,経験が「分かっているつもり」を生み,「子どもの内面から目を離す」ことにつながっているのかもしれません。

 1.乳児はしっかり肌を離すな   

 2.  幼児は肌を離せ、手を離すな  

 3.少年は手を離せ、目を離すな  

 4.青年は目を離せ、心を離すな

子どもの自立に向けて,離してはならぬものを考えていきます。

教師の指導観と指導技術〜教育実習を通して①〜

2019.11.02

昨日まで二週間,大学3年生の教育実習生2名と一緒に過ごしました。

実習生は,熱心で誠実で,チャレンジ精神溢れる素晴らしい方々ばかり。

年に何度かある教育実習期間。私は学生を指導する側ですが,学生の授業をみたり,学生と話したりする中で,自分自身が新しく気付いたり勉強になったりすることがたくさんあります。

これから何回かに分けて,いくつか紹介していこうと思います。

今回は,教師の「指導観」と「指導技術」。

夏に大学1年生が授業参観実習にいらっしゃいました。その時のレポートに次のように書かれていました。一部抜粋して紹介します。

志田先生の授業の行い方に関しては,児童が主体的に授業に参加し,学習したことが身に付きやすいような工夫がなされていると感じた。児童の意見の間違いを児童に指摘させたり,言葉の表現の仕方など児童の意見を授業に取り入れたり,隣の人と話し合わせて納得してから座るように指示したりしていた。この時,納得していない児童に対しては立っていることを価値付けてから,他の児童がフォローするのも価値付けていた。志田先生自身も教えるという立場に立つばかりでなく,児童の発表の意味がわからないときには質問したり説明し直させたりしていたこともあった。

他の学級の授業では,児童の発表のたびに先生が児童の考えを汲み取り,まとめて言い直していた。どちらも先生が児童の理解を進めるために工夫している。その方法が,先生がまとめて分からせるか,児童同士の交流で分からせるかで違うだけだ。しかし私は,児童が自力で理解してもらえるように説明する力がついたり,他人の説明を理解できるようになる力がつく授業の行い方が良いと思った。

大学1年生が1日授業を見ただけで,こんなことに気付けるのかと驚きました。

この実習生が採り上げた私のやっていること(指導技術)は次の通りです。

●間違いを積極的に扱い,その根拠を問う

●子供の言葉を変換せずそのまま授業で扱うこと

●少人数で一人一人が説明する(アウトプットする)場を確保すること

これらは,子供に考える力をつけたい,子供が話しやすい授業にしたい,自分と自分以外の違いに関心を向けさせたい,等の子供にかける願い(指導観)があるから,私が自然とやっていたり意図的にやっていたりすることです。

つまり指導技術は指導観があって初めて生まれるものだということです。言い換えると指導観ないところに指導技術は生まれず,もしそのような技術があったとしても,あまり意味をなさないということです。

実習生を始め,我々教師も,気がつくと「何をどのようにするか」という方法ばかり話題にして,「何のために」「どんな子供を育てるために」という目的が薄れてしまいがちです。

「指導観」があって,その後に「指導技術」が形成される。

このことは,2月の初等教育研究会のワークショップでも詳しくお伝えする予定です。

興味のある方はぜひ参加していただければ嬉しいです。

またご意見ご感想は, shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp までお願いします。お待ちしています。

4年小数③ 〜解決〜

2019.09.23

うまく解決できると思っていた方法を見直す必要性に気付いた子どもたち。

「じゃあ,どうやったら解決できそう?」などと投げかけるのが一般的かもしれません。

しかし,そうするとこれまでの考え方が役立てられず,全く別の考え方を考え始めなければならないと子どもは受け止めてしまいます。

私は,間違っていた考え方を基に,修正点を明らかにしながら次の解決方法を考える力を育てたいと思っています。

それこそ,答えのない問題に対して自分なりの答えを導いていくときに必要な力であり,これからの社会で役立つ力だと思うからです。

そこで,私は「どの条件だったら修正できそうか」と問います。

子どもたちにとって,いきなり「18分は0.18時間」を修正することは難しいことです。

ですが,「30分は0.3時間」や「6分は0.06時間」のような考えは,修正しやすいと考えます。

修正は,いきなりゴールにたどりつかなくても,まず解決の一歩目を踏み出せることを大切にしたいものです。

だからこそ,その条件を見出すことを子ども自身に委ねたいと思います。

60分の半分が30分。だから1時間も半分にすると0.5時間。だから,「30分は0.5時間」。

これが共有されると,「だったら,6分も分かる」「だったら15分も分かる」と自分たちで考える対象を広げていきます。

まさに子どもが深い学びを実現させています。

「同じように考えると,60分を1/10すると6分,1時間を1/10すると0.1時間。だから6分は0.1時間」

ここで,1/10が0.1という小数の意味が確認され,活用されました。

資質・能力として獲得させたい知識・技能は,覚えておけば良いのではなく,このように「生きて働く」知識・技能です。

こうして,最後は,「6分が0.1時間」であることを基に,「18分が0.3時間」であることを導いたのです。

解釈と修正をキーワードに,小数の意味理解を深める授業。

ご意見,ご質問は,こちらまでお願いします。

shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

実践紹介 4年小数② ~追究~

2019.09.18

「18分は0.18時間」

大人から見ると間違いだと気付く考え方でも,子どもにはちゃんと根拠があります。

「18cmは0.18m」

長さのときは,このように考えて正解だったわけです。このことから類推して考えていると捉えれば,子どものこの考え方には価値があることがわかります。

だからこそ,結果としては間違えていたとしても,このように考えた過程は価値づけるべきです。その上で,教師が否定するのではなく,子どもが自ら間違いに気付くようにしたいものです。

そこで私は,間違った考え方のまま,他の場面を考えさせるようにしています。

何か見いだしたら,“試す”ことを習慣付けるのです。



最初は安心して勢いよく答えていた子どもたち。

しかし,このぐらいになると,教室がざわざわしてきます。

「60分は1時間」と確認していたのに,この考え方だと「60分は0.6時間」になってしまいます。さらに「100分で1時間になっちゃう」という声も。

この「なっちゃう」という表現も,算数で大切したい表現の一つです。

これは,授業の核となる問題なので,全員でしっかり確認します。

さあ,解決できると思っていた方法を試してみたら,うまく合わない状況が見えてきました。

「じゃあ,この方法は違ってたんじゃないの?」

こうして,自分たちの解決方法を見直す必要性に,子ども自身が気付きました。

さあ,追究が深まります。

実践紹介 4年小数① ~導入~ 

2019.08.26

今年度の校内研究授業の実践を紹介します。

4年生の小数の単元で授業を行いました。

「綿密に計画を立て,計画通り実行する力」よりも,「とりあえず試してみて,結果に合わせて修正する力」が求められる現在のような時代。算数の指導観も見直していく必要があるのではないでしょうか。

私は,「解釈」と「修正」の活動を視点に,このような力を育成していきたいと考え,実践に取り組んでいます。

子どもたちに提示した問題は「□分は何時間?」。

教師が提示する問題は,なるべくシンプルになるよう心掛けています。



例を示し,子どもと取り組むことで,子どもは問題を理解していきます。教師の先を予想しだしたら,課題設定力を高めるチャンスです。大いに褒めます。

子どもは予想とは異なる数値の提示に・・・

と驚き!「そんなの時間に直せるの?」と言い出す子どもまで(笑)。子どもは未知の問題に出合うと,本当に素直に疑問を表現するものです。そこで,頭の中でどんな数を思い浮かべているか聞いてみます。

子どもの中に「~~できそう」「~~してみたい」が生まれてきたときが,課題を設定するタイミングです。「みんなは,小数で時間を表そうとしているんだね」と確認した後,

「時間を小数で表せそう。どのように考えたら表せるかな?」

と今考えていることを“課題”として確認しました。

その後,「0.18時間」と結果を見通している子どもの発言を採り上げて,その子どもがどうして0.18時間と考えたのかを問います。

他者の考えを“解釈”する活動を仕組むのです。

子どもは,友達の考えを解釈することを通して,この未知の問題の解決にどのように取り組むべきかの方法を話題にしていきます。

さて,困りました。他者の考えの解釈する力が育ちすぎて,みんな納得してしまいました。みなさんだったら,子どもが間違った考え方で納得してしまったとき,どのように授業を進めますか?

A:「実は・・・」と正しい方法を説明する。

B:「そうじゃない」と間違いを指摘する。

C:ヒントカードを与える。

笑顔の裏で,頭を悩ませる私・・・。この後の展開はいかに・・・。

次回に続きます。

GATA-KEN4

2019.06.04

6月1日(土)GATA-KEN4(第4回附属新潟小学校公開授業研究会)が行われました。

晴天の休日に、たくさんの先生方から参加いただき、ありがとうございました。
今回は5日前の5月27日(月)に行ったGATA-KEN3の授業の改善をテーマにしましまた。

「子どもが”なぜ”を考えたくなる授業の展開」

きまり探しの場面は生き生きと学習するのに、その仕組みを考える場面になると一気に引いていく子ども。そして、急に教師が説明的になる。
こうして算数授業に“なぜ?”と問われることを嫌がる“なぜアレルギー”が広がるのです。

そのためにも、このテーマ。
「子どもが“なぜ”を考えたくなる授業の展開」

今回はきまりの予感を感じた子どもに,想定したきまりが成り立たない場面に出合わせることで,「なぜ?」と思わせる手立てを考えました。

ただ、授業の実際はやはり課題が見えるものです。たくさんの視点で観ていただき、ありがたかったです。

最後に、前回と今回連続で授業を参観した保護者が、帰り際に一言。
「授業っていろいろな考えさせ方や教え方があるんですね。同じ志田先生なのにやり方が変わっててびっくりしました。どちらも子どもも楽しそうだし、観ていた大人も笑っちゃいましたが、今回の方が、子どもが何を考えているのか分かりやすかったです」

授業改善は子どものため。少しは実現できたのかなあと,うれしくなりました。

子どもたち,保護者のみなさん,ご協力本当にありがとうございました。

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