個人研究

算数科: 志田 倫明

算数科: 志田 倫明

4年目を迎えた今年度は4学年を担任しています。

論理的に考える力を高める

これは算数の学習をするとき誰もが大切にしたいことです。

しかし,簡単なことではありません。

大人の論理が先行する環境では,この力は高まらないと思っています。子どもの論理こそ大切にしなくてはなりません。たとえ,その論理が大人からみると間違っていたとしてもです。

これまでの実践からも,“誤りの論理”を明らかにし,正しく修正する過程で,主体的・対話的に学ぶ子どもの姿を多く見てきました。

そのような学びをした子どもは,“誤り”と“正しさ”の境界を明らかにすることで,深い学びを実現するのです。

今年度も,誤りを含めて子どもの論理に寄り添った授業のあり方を探り,学習集団全員の“学び”と“笑顔”が生まれる授業を事実をもって提案していきます。

御批正,御指導よろしくお願いいたします。

ご意見,ご相談など,気軽にご連絡ください。

shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

 

教師の指導観と指導技術〜教育実習を通して①〜

2019.11.02

昨日まで二週間,大学3年生の教育実習生2名と一緒に過ごしました。

実習生は,熱心で誠実で,チャレンジ精神溢れる素晴らしい方々ばかり。

年に何度かある教育実習期間。私は学生を指導する側ですが,学生の授業をみたり,学生と話したりする中で,自分自身が新しく気付いたり勉強になったりすることがたくさんあります。

これから何回かに分けて,いくつか紹介していこうと思います。

今回は,教師の「指導観」と「指導技術」。

夏に大学1年生が授業参観実習にいらっしゃいました。その時のレポートに次のように書かれていました。一部抜粋して紹介します。

志田先生の授業の行い方に関しては,児童が主体的に授業に参加し,学習したことが身に付きやすいような工夫がなされていると感じた。児童の意見の間違いを児童に指摘させたり,言葉の表現の仕方など児童の意見を授業に取り入れたり,隣の人と話し合わせて納得してから座るように指示したりしていた。この時,納得していない児童に対しては立っていることを価値付けてから,他の児童がフォローするのも価値付けていた。志田先生自身も教えるという立場に立つばかりでなく,児童の発表の意味がわからないときには質問したり説明し直させたりしていたこともあった。

他の学級の授業では,児童の発表のたびに先生が児童の考えを汲み取り,まとめて言い直していた。どちらも先生が児童の理解を進めるために工夫している。その方法が,先生がまとめて分からせるか,児童同士の交流で分からせるかで違うだけだ。しかし私は,児童が自力で理解してもらえるように説明する力がついたり,他人の説明を理解できるようになる力がつく授業の行い方が良いと思った。

大学1年生が1日授業を見ただけで,こんなことに気付けるのかと驚きました。

この実習生が採り上げた私のやっていること(指導技術)は次の通りです。

●間違いを積極的に扱い,その根拠を問う

●子供の言葉を変換せずそのまま授業で扱うこと

●少人数で一人一人が説明する(アウトプットする)場を確保すること

これらは,子供に考える力をつけたい,子供が話しやすい授業にしたい,自分と自分以外の違いに関心を向けさせたい,等の子供にかける願い(指導観)があるから,私が自然とやっていたり意図的にやっていたりすることです。

つまり指導技術は指導観があって初めて生まれるものだということです。言い換えると指導観ないところに指導技術は生まれず,もしそのような技術があったとしても,あまり意味をなさないということです。

実習生を始め,我々教師も,気がつくと「何をどのようにするか」という方法ばかり話題にして,「何のために」「どんな子供を育てるために」という目的が薄れてしまいがちです。

「指導観」があって,その後に「指導技術」が形成される。

このことは,2月の初等教育研究会のワークショップでも詳しくお伝えする予定です。

興味のある方はぜひ参加していただければ嬉しいです。

またご意見ご感想は, shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp までお願いします。お待ちしています。

4年小数③ 〜解決〜

2019.09.23

うまく解決できると思っていた方法を見直す必要性に気付いた子どもたち。

「じゃあ,どうやったら解決できそう?」などと投げかけるのが一般的かもしれません。

しかし,そうするとこれまでの考え方が役立てられず,全く別の考え方を考え始めなければならないと子どもは受け止めてしまいます。

私は,間違っていた考え方を基に,修正点を明らかにしながら次の解決方法を考える力を育てたいと思っています。

それこそ,答えのない問題に対して自分なりの答えを導いていくときに必要な力であり,これからの社会で役立つ力だと思うからです。

そこで,私は「どの条件だったら修正できそうか」と問います。

子どもたちにとって,いきなり「18分は0.18時間」を修正することは難しいことです。

ですが,「30分は0.3時間」や「6分は0.06時間」のような考えは,修正しやすいと考えます。

修正は,いきなりゴールにたどりつかなくても,まず解決の一歩目を踏み出せることを大切にしたいものです。

だからこそ,その条件を見出すことを子ども自身に委ねたいと思います。

60分の半分が30分。だから1時間も半分にすると0.5時間。だから,「30分は0.5時間」。

これが共有されると,「だったら,6分も分かる」「だったら15分も分かる」と自分たちで考える対象を広げていきます。

まさに子どもが深い学びを実現させています。

「同じように考えると,60分を1/10すると6分,1時間を1/10すると0.1時間。だから6分は0.1時間」

ここで,1/10が0.1という小数の意味が確認され,活用されました。

資質・能力として獲得させたい知識・技能は,覚えておけば良いのではなく,このように「生きて働く」知識・技能です。

こうして,最後は,「6分が0.1時間」であることを基に,「18分が0.3時間」であることを導いたのです。

解釈と修正をキーワードに,小数の意味理解を深める授業。

ご意見,ご質問は,こちらまでお願いします。

shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

実践紹介 4年小数② ~追究~

2019.09.18

「18分は0.18時間」

大人から見ると間違いだと気付く考え方でも,子どもにはちゃんと根拠があります。

「18cmは0.18m」

長さのときは,このように考えて正解だったわけです。このことから類推して考えていると捉えれば,子どものこの考え方には価値があることがわかります。

だからこそ,結果としては間違えていたとしても,このように考えた過程は価値づけるべきです。その上で,教師が否定するのではなく,子どもが自ら間違いに気付くようにしたいものです。

そこで私は,間違った考え方のまま,他の場面を考えさせるようにしています。

何か見いだしたら,“試す”ことを習慣付けるのです。



最初は安心して勢いよく答えていた子どもたち。

しかし,このぐらいになると,教室がざわざわしてきます。

「60分は1時間」と確認していたのに,この考え方だと「60分は0.6時間」になってしまいます。さらに「100分で1時間になっちゃう」という声も。

この「なっちゃう」という表現も,算数で大切したい表現の一つです。

これは,授業の核となる問題なので,全員でしっかり確認します。

さあ,解決できると思っていた方法を試してみたら,うまく合わない状況が見えてきました。

「じゃあ,この方法は違ってたんじゃないの?」

こうして,自分たちの解決方法を見直す必要性に,子ども自身が気付きました。

さあ,追究が深まります。

実践紹介 4年小数① ~導入~ 

2019.08.26

今年度の校内研究授業の実践を紹介します。

4年生の小数の単元で授業を行いました。

「綿密に計画を立て,計画通り実行する力」よりも,「とりあえず試してみて,結果に合わせて修正する力」が求められる現在のような時代。算数の指導観も見直していく必要があるのではないでしょうか。

私は,「解釈」と「修正」の活動を視点に,このような力を育成していきたいと考え,実践に取り組んでいます。

子どもたちに提示した問題は「□分は何時間?」。

教師が提示する問題は,なるべくシンプルになるよう心掛けています。



例を示し,子どもと取り組むことで,子どもは問題を理解していきます。教師の先を予想しだしたら,課題設定力を高めるチャンスです。大いに褒めます。

子どもは予想とは異なる数値の提示に・・・

と驚き!「そんなの時間に直せるの?」と言い出す子どもまで(笑)。子どもは未知の問題に出合うと,本当に素直に疑問を表現するものです。そこで,頭の中でどんな数を思い浮かべているか聞いてみます。

子どもの中に「~~できそう」「~~してみたい」が生まれてきたときが,課題を設定するタイミングです。「みんなは,小数で時間を表そうとしているんだね」と確認した後,

「時間を小数で表せそう。どのように考えたら表せるかな?」

と今考えていることを“課題”として確認しました。

その後,「0.18時間」と結果を見通している子どもの発言を採り上げて,その子どもがどうして0.18時間と考えたのかを問います。

他者の考えを“解釈”する活動を仕組むのです。

子どもは,友達の考えを解釈することを通して,この未知の問題の解決にどのように取り組むべきかの方法を話題にしていきます。

さて,困りました。他者の考えの解釈する力が育ちすぎて,みんな納得してしまいました。みなさんだったら,子どもが間違った考え方で納得してしまったとき,どのように授業を進めますか?

A:「実は・・・」と正しい方法を説明する。

B:「そうじゃない」と間違いを指摘する。

C:ヒントカードを与える。

笑顔の裏で,頭を悩ませる私・・・。この後の展開はいかに・・・。

次回に続きます。

GATA-KEN4

2019.06.04

6月1日(土)GATA-KEN4(第4回附属新潟小学校公開授業研究会)が行われました。

晴天の休日に、たくさんの先生方から参加いただき、ありがとうございました。
今回は5日前の5月27日(月)に行ったGATA-KEN3の授業の改善をテーマにしましまた。

「子どもが”なぜ”を考えたくなる授業の展開」

きまり探しの場面は生き生きと学習するのに、その仕組みを考える場面になると一気に引いていく子ども。そして、急に教師が説明的になる。
こうして算数授業に“なぜ?”と問われることを嫌がる“なぜアレルギー”が広がるのです。

そのためにも、このテーマ。
「子どもが“なぜ”を考えたくなる授業の展開」

今回はきまりの予感を感じた子どもに,想定したきまりが成り立たない場面に出合わせることで,「なぜ?」と思わせる手立てを考えました。

ただ、授業の実際はやはり課題が見えるものです。たくさんの視点で観ていただき、ありがたかったです。

最後に、前回と今回連続で授業を参観した保護者が、帰り際に一言。
「授業っていろいろな考えさせ方や教え方があるんですね。同じ志田先生なのにやり方が変わっててびっくりしました。どちらも子どもも楽しそうだし、観ていた大人も笑っちゃいましたが、今回の方が、子どもが何を考えているのか分かりやすかったです」

授業改善は子どものため。少しは実現できたのかなあと,うれしくなりました。

子どもたち,保護者のみなさん,ご協力本当にありがとうございました。

新潟大学の大講義室で授業

2019.05.27

GATA-KEN(附属新潟小学校公開授業研究会)が本日5月27日(月)に行われました。

今回は附属新潟小学校として初めての取組(新潟大学としても初めての取組かな)で,新潟大学(五十嵐キャンパス)教育学部の大講義室のステージ上で授業を公開しました。

学生,大学職員,地域の先生方,保護者の皆様など計230名を越える皆様が集まってくださいました。

慣れない環境(なんと机なしの椅子だけ)で,多くの人に観られる中,それでも本気で考えたいことを明確にもった子どもは,あそこまで自由になれるんだと,子どもたちの姿に感動しました。

「仕組みが見えるよ」

「もっと見付けたい。あ!タイが生まれた」

「理由が分かるよ」

「○○さんの言いたいことが分かるよ」

「だったら,こんなやり方もある」

算数の学びを深める素晴らしい言葉が溢れました。

そして,終始笑顔の授業になりました。

私「もう終わりの時間なの」

子ども「えー。盛り上がってきたところだったのに!」

子どもの追求意欲は45分では収まることを知らず・・・。

私の展開力不足を痛感しました。

それでも,「始まりから終わりまで子どもたちが授業を創っていた」と参観していた先生から言われたのは収穫。

すべて子どもたちのおかげです。みんなありがとう。

協議会で問い合わせが話題になったので。

shida@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

感想,ご意見,ご相談,なんでもお気軽にご連絡ください。

初めての学習参観

2019.05.08

たくさんの大人に囲まれながら

みんな能動的に

真剣に

そして笑顔で学ぶ

33人の子どもたち

あっぱれです。

よく見ると・・・大人も笑顔です 笑

心地よい時間になりました

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