個人研究

社会科: 椎井 慎太郎

附属新潟小学校2年目。椎井 慎太郎(しいい しんたろう)です。

研究教科は社会科。今年度は高学年複式学級を担任します。


今年度は「見通しの場面」に焦点を当てて,研究をします!

これまでも,社会科において見通しをもたせる場面は設定されてきましたが,いくつかの問題点があったと感じています。

一つは予想の発表会に留まり,予想をより確かなものに高められないまま調査活動に移っていたこと。もう一つは,予想を確かめるための計画作りを子どもに委ねてしまい,調べ方やまとめ方を自由に決定させていたことです。

この問題点研究の出発点にします。

そして,その問題点を改善するための働き掛けを研究します!

今後、5年生の社会科を通して見えてきた成果と課題を随時upしていきます。
たくさんの皆様からご批正をいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いします。

自然災害とともに生きる③~ホンネの減災,ホンキで実行~

2019.10.03

第3~4時

学習活動:日本で起こったこれまでの自然災害を調べたり,自然災害と国土の自然環境との関係について考えたりして,学習問題をつくる。

第5時

学習活動:大きな地震や津波から暮らしを守るために,どのような対策が進められているか調査し,まとめる。

第6時

大きな水害から暮らしを守るための取組を調べ,新潟県ではどのような対策が進められているかを予想する。

第7時

新潟県が導入した「防災ナビ」を直接操作したりする活動を通して,学習問題をつくり,予想を立てる。

ここで体験活動第3弾!!

新潟県では一段加速した防災・減災対策の一環として、県内全域の洪水・土砂災害・津波などのハザードマップを閲覧する機能などを有する、スマートフォン用アプリ「新潟県防災ナビ」を令和元年7月5日から運用しています。

 今回、新潟大学教育学部付属新潟小学校高学年3組(16名)のために「新潟県防災ナビ」の講習会を開いていただきました。内容は次の通りです。

①「新潟県防災ナビ」の使用方法の説明(デモンストレーション)

→新潟県防災局の方が新潟県防災ナビの使用方法や機能について説明してくださいました。

②児童1人1人が情報端末を実際に操作して使用方法を学ぶ

→屋外でアプリに搭載されている「避難コンパス」や「ARカメラ」の機能を使用する体験を しました。

・避難コンパス:現在地から避難所の方向を示す機能。

・ARカメラ :情報端末が映し出す画像に避難所の位置などを重ねて示す機能。

 なお,この「防災ナビアプリ講習会」の様子が10月1日付の新潟日報にも紹介されました。よろしければ,そちらの方もご覧ください。

自然災害とともに生きる②~ホンネの減災,ホンキで実行~

2019.09.20

 地震体験を終え,迎えた第2時。次は平成30年7月にあった西日本豪雨を事例に,大雨や豪雨に関連する自然災害について学習しました。

クラゲチャートで自然災害を確認した後,大雨(豪雨)に焦点を当てました

 西日本豪雨について調べてみると,被害の大きさや大雨特別警報が何度も発令された(過去最多)事実などが分かってきました。

 そのような子どもに,今度は実際の被害の様子が分かる映像を視聴させました。

氾濫した川,流されていく車や自動販売機,そして水に飲みこまれる町…。

絶句する子どもたち…。

 「平成最悪の水害」という表現にも納得。西日本豪雨について認識を深めた瞬間でした。

 ここで,子どもに問います。

「西日本豪雨の時の雨って,どのくらいの雨だったのかな??」

この発問によって,子どもは前時の学習「東日本大震災 → 起震車による地震体験」を想起し,次のようにつぶやき始めます。

「かなり強いと思う…」

「体験できないかな…」

「体験してみたい!」



だったら行こう!ということで向かった先は…

国土交通省 北陸地方整備局 北陸技術事務所(新潟市西区山田)

学習・体験の内容は写真でご覧ください!

準備は万端‼!
まずは30mm/hの降雨を体験
30mm/hと言えど,かなりの雨の量
その30mm/hの雨が長時間続いて引き起こされたのが「西日本豪雨」。
体験と教室での学びがつながり,子どもも真剣に聞き入ります。

 今度は自動演出による降雨体験。なんと,日本一の雨量を観測した昭和57年7月23日の長崎豪雨の雨を体験することができました。

 最大時間雨量はなんと187mm!!

 その日の振り返り記述。貴重な体験であったことが伺えます。

 30mmはそこまで強く感じませんでした。でもこの雨が10時間以上続くことを考えると,恐ろしくなります。そして,どんどん雨量を増やしていき,120mmまできました。これは,新潟県で起きた豪雨を再現したものです。とても強い雨でした。新潟県は,中越地震や今回の豪雨など大きな被害を受けた災害が多数あります。だから,新潟県は他県よりも確率が高いかもしれません。ますます怖くなってきます。でもまだこれでは終わりません。最後の180mm。とても強く,3mくらいの距離で話していることがギリギリ聞こえるくらいの,ものすごい音がしました。雨の1つぶが大きく,重みがありました。今回の体験もまた,災害の怖さを知る貴重な経験になりました。

自然災害とともに生きる~ホンネの減災,ホンキで実行~

2019.09.13

 附属オータム研修会に向けた新単元がスタートしました。単元名はズバリ,

自然災害とともに生きる 

~ホンキの減災,ホンネで実行~

です。9月は防災月刊,だからこそ,この9月に自然災害単元を行います。

 まずは第1時。東日本大震災を事例に,地震と津波の恐ろしさを感じたり,日本で起きたこれまでの地震災害を調べたりしました。

第1時 板書

 サムネイルにある「正しく恐れる」とは,明治中期から昭和初期の物理学・地震学の権威で随筆家としても知られた寺田寅彦(1878~1935)の言葉を元にした箴言(しんげん=戒めの言葉)です。寺田氏の随筆の中の記述「ものを恐がらなすぎたり,恐がりすぎたりするのはやさしいが,正当に恐がることはなかなかむつかしい」からきています。

 自然災害単元では,これまでの災害の歴史や,これから起こりうる災害に対する防災・減災対策を学びます。しかし,それらの学びが「(子どもの中で)自分ごとになっているか」と自問してみると,自信をもって答えられない私がいました。

 そこで本実践では,これまでの災害や最前線の減災対策を,「体験してみる」という活動を取り入れます。具体的には「地震の揺れ」や「豪雨」を体験するという,単純な活動です。

早速,新潟県庁から地震を体験できる「起震車」が来てくれました!

始めは余裕…
ピースをする余裕もある…
震度5強から体験!
みんなで揺れれば怖くない!?

 授業後の振り返り記述から,子どもにとって意味のある体験であったことが伺えます。

 ぼくは,今日の震度7を体験して思ったことがあります。それは,「やっぱり地震は恐ろしい」ということです。昨日の動画を見ても分かっていたことだけど,今日実感して,「家にいたら物が落ちてくるかも…」「家が海に近いから津波が…」などと思いました。

 震度5でもけっこう強いゆれだったのに,震度7を体験したらもっとすごくて,椅子から落ちそうになるくらいのゆれでした。でも実際は物も落ちてくるから,大災害になるなあと思いました。だからとてもどきどきします。しかし,そういうときこそ落ち着いて行動しないといけないから,もっと知っておいた方がいいということが分かりまいた。

 今日は覚悟をして震度7を体験したけど,実際はいつ起きるか,どのくらいの大きさなのかも分からないし,起きた時の恐ろしさや恐怖の具合がちがうと思います。昨日見た東日本大震災の被災者の方たちも,何も知らずにこんなゆれにあい,家はこわれて,家族や親せきが大丈夫なのかも心配になるし,亡くなった方もいるから,地震は人を悲しませてしまうものだから,本当に起きてほしくない災害だと改めて感じました。震度6~7のゆれを体験した方たちの気持ちが少しでも分かったので,これからはその気持ちを大切に毎日を過ごそうと思います。

 大規模災害(南海トラフ巨大地震のような“国難”規模の災害)を「正しく恐れる」時,正しく恐れれば余計な心配は要らないという方向へ導くのではなく,「正しく恐れて,いつかくる災害に備える」ことが大切だと感じています。

 次回は「正しく恐れるPartⅡ」の「降雨体験」です。どのような体験学習となるのか,ワクワクが止まりません!

稲作単元 Final~スマート農業の夜明け③~

2019.09.08

 その後の追究場面において子どもは,各自の学習計画に沿って自力で調査活動を進めていきました。そして,半数の子どもが「水田センサ」の情報を得ました。↓タブレット端末上で子どもがまとめたプレゼン資料より

 問題解決場面では,「平成27年から1年しかたっていないのに,なぜ水回りの回数がこんなに減ったのか」と,学習の結論を問いました。調査活動で得た情報を持ち寄った子どもは,学習問題の結論となり得そうな情報を発表したり,より確かな情報を付け足したりしていくことで,「水田センサの取組をすることで,水回りの回数を減らした。予想の④が合っていた」と結論付けました。

 このような子どもに,専門家(市役所職員)から新たな情報を提示してもらう場も設定しました。来てくださったのは,新潟市農林水産部 ニューフードバレー特区課の近 史明 様です。

【近さんから教えていただいたこと】

・水田センサの取組は5年前から始められた。今は水門の開け閉めも全自動でできるシステムが開発され,そのおかげで田んぼに全く行かなくても水管理ができるようになった。

・「新潟市の農業力はすごい」と国に認められて、新潟市は数少ない国家戦略特区の一つとして指定された。そして,与えられたテーマとミッションがあって,テーマは「大規模農業の改革拠点」,ミッションは【5つの政策課題】。その中の「新たな技術を活用した革新的農業の展開」がスマート農業に当たる。新潟市の農業者はどんどん減っているから、それを何とかするにはスマート農業が非常に重要になってくると考えているため,一生懸命取り組んでいます!

・ 「水田センサ」以外のスマート農業の取組もしています。例えば,ドローン。ドローンは農薬を撒くのにも使われています。昔は大きなラジコンヘリコプターを使ったり、作業機を背負って撒いていたりしたけど、ドローンを使えば、誰でも楽に薬を撒けるようになる。将来的には複数のドローンがパソコンの命令で自動的に動くようなことができるように今実験しているところです。

子どもは,近さんの話を通して新潟市が推進しているスマート農業の概要と価値を,次のように捉えました。

少子高齢化が進んでいく中で、水田センサがつけば、そのことも解決すると思った。農家さんが減っている中でも、スマート農業によって機械化が進んで農業が楽になり、色々なことが年齢関係なくできるようになれば、未来はもっと農業が発展していく。

 このようにして子どもは問題解決し,スマート農業の価値を捉えました。

稲作単元⑥~スマート農業の夜明け②~

2019.08.22

指定研究授業の概要をお伝えします。

「平成27年から1年しかたっていないのに,なぜ水回りの回数がこんなに減ったのか」

前時までに,日本や新潟市の農業の問題点や課題を捉えた子どもたちに,水回り(田んぼの見回り)の省力化を実現した事実をデータとして示しました。

すると子どもたちは,

「えー!?」「どうして…⁉」

と驚いたり,疑問をもったりしました。

そしてできた学習問題。

みなさんなら,どのような予想をしますか?

次に予想を問うと,6つの予想が出てきました。

「どの予想が合っているんだろう⁇」と考え始めている子どもに,上記の「資質・能力」を発揮させるために,次のように働き掛けました。

予想を絞り込むための議論の場を設定し,再度自分が支持する予想を問う

子どもはたちは,どの予想が確からしいかを述べ合ったり,論じ合ったりします。

「⑥(天候の影響)に反対で,梅雨に雨が増えると言ったけれど,雨が増えたらその影響でもっと田んぼを見に行かなくてはいけないから,⑥には反対です」

「②(田んぼを見に行かなくてもよくなった)については,耕作放棄地が増えているから捨てられているという浦山さんの意見にも納得できるけれど,本当に農家としてやっていくのだったら,もっと田んぼを大事にすると思うから②には反対です」

「ぼくは意見が変わって②と⑥がなくなって,③と④になりました。⑥と②を消した理由は,友達の意見とぼくの意見を比べたからです。気候の影響(⑥)では,友達の意見の方が合っていると思い,なくなりました。②も農家さんは簡単に田んぼを捨てないかなあとそう思ったから,友達の意見に賛成して②もなくなりました」

考えたことや選択・判断したことを説明したり,それら基に議論したりする力

を発揮し,どの予想が合っているのかを検討した子どもたち。

この後,学習計画を立てて明確な見通しをもつことができました。

詳細は,指導案等をご覧ください!

稲作単元⑤~スマート農業の夜明け①~

2019.07.08

 いよいよ単元の後半がスタートです!

 後半は,新潟市において成果を上げているスマート農業の取組を社会的事象として採り上げました。

 以下,少々長いですが,解説とその価値をお伝えします。

 近年,農業分野では,担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題となっています。また,それに伴って平均経営耕作面積が拡大しており,一人当たり作業面積の限界を打破するための省力化・負担軽減を実現する技術開発も喫緊の課題です。

 そのような中,全国トップクラスの農業力をもつ新潟市は,2014年5月1日に「大規模農業の改革拠点」として国家戦略特区に指定され,確かな成果を残してきました。その代表的な成果の一つが,「society5.0(内閣府)」でも紹介されているスマート農業推進の取組でです。スマート農業とは,情報通信技術(ICT)やロボット技術を活用して,省力化や大規模生産,品質の向上などを目指す次世代農業を指す言葉です。
 そこで本単元の後段では,新潟市において成果を上げているスマート農業の取組を社会的事象として採り上げました。具体的には,田んぼの水位,水温,温度,湿度を自動測定する水田センサに焦点を当てます。このことには,主に次の価値があると思っています。
 それは,ICTで創る新しい農業のかたちにふれることができるということです。水田センサの取組は,農家の水回りにかかる時間を短縮し,水管理の省力化を確かに実現します。ICTを駆使することにより,人口減少という現代的諸課題に起因する農業の問題点の一つ(人手不足による負担増)を改善することができるということです。

 スマート農業を学ぶことによって,「きつい」と言われてきた農業のイメージを払拭するきっかけとなり,さらに,このような革新的な農業を新潟市から実践・発信している事実を知ることは,衰退傾向にある農業への興味・関心にもつなげることができると考えます。

 第8時において,日本の農業の問題点や課題を学んだ後に,全国トップクラスの大農業都市である新潟市でも,3つの顕著な問題点があることを理解しました。

 そして,これらの問題点が複合的に絡み合うことにより,経営耕地面積の増加に伴う圃場の広域化・分散化が加速していることや,それによって引き起こされる水田の見回りに掛かる労力の負担軽減が喫緊の課題であることを捉えました。

 第11時では,水回り(田んぼの見回り)の省力化を実現した事実をデータとして示しました。これまで,「水回りの作業は大変で,時間がかかる」と捉えていた子どもはその事実に驚きます。その結果子どもは,「平成27年から1年しかたっていないのに,なぜ水回りの回数がこんなに減ったのか」と問いをもち,学習問題を設定しました。

 そして,その問いに対する予想を一人一人がもち,学級でも共有しました。 子どもとともに予想をまとめた結果,6つの項目にまとめることができました。

稲作単元④~単元前半の板書,すべて公開します!~

2019.07.01

 前時の予想について調査活動をした結果,平らな広い水田,豊かな水,季節風,昼夜の温度差が大きいなどの自然条件がお米に影響していることを理解しました。↓

第3時「新潟の米作りにはどんな自然環境が影響しているのだろう?」

 米づくりの仕事について調べ,農事暦にまとめました。稲作農家の人々は,種まきから収穫までの間,稲の生長に合わせて工夫や努力を重ねていることを捉えました。↓

第4時「米作り農家の人たちは,一年を通してどんな仕事をしているのだろう?」

 作業時間の減少に問いをもった子どもは,農家の人たちが,よりよい米づくりのためにどのように協力し合っているかを調べ,話し合いました。機械化による生産技術の向上に努め,生産の効率を高め,労働時間の短縮を進めていることや,南魚沼市の人々は地域で協力し品種改良等を進め,一単位面積当たりの収穫量を増やしていることを理解しました。↓

第5・6時「なぜ,稲作の作業時間はこんなに減ったのだろう?」

 南魚沼市の米が消費者に届けられるまでの様子を調べて,生産地と消費地を結ぶ運輸の働きとともに,カントリーエレベーターや運輸の働きにより,味を保ちながら早く全国の消費地へ届けることができることを学びました。↓

第7時「米はどのようにして食卓に届けられるのか?」

※第8時は,「新潟県のお米の生産量があまり変わらない秘密は何か」の答えについて,記述しました。

稲作単元③~単元の学習問題作り→解決その1~

2019.06.18

大切な大切な単元の学習問題作りの1時間。

 「米の生産量と消費量の変化」を表すグラフを提示した後,「新潟県の米の生産量」を表すグラフを提示することによって,「なぜ他の県はお米の生産量が下がっているのに,新潟県はあまり変わらないのか?」という疑問をもちました。

 そしてできた単元の学習問題は「新潟県のお米の生産量があまり変わらない秘密は何だろう」です。

予想を問うと,大きく分けて3つの予想が!

 3つの予想のうち,まずは「新潟の自然環境」に関わる予想に焦点を当てました。そしてできた学習問題が「新潟の米作りにはどんな自然環境が影響しているのだろう」です。

 この学習問題の予想として挙がったのは,①天気,②気温,③土がいい,④土地が広いの4つでした。次時は調査活動です!結論はいかに!? 

稲作単元②~田植え体験に行って来ました~

2019.06.06

第2弾は,田植え体験

田起こし・肥料まき体験を行った黒崎地区へ,今度は5年1組と2組とともに訪れました。

作業時間はトータルで1時間。84名が前半と後半に分かれ,手際よく10aの田んぼに苗を植えました。

体験をしたからこそ分かる大変さや,情報,新たな知識。

次回の舞台はいよいよ教室です!

稲作単元①~田起こし・肥料まき体験に行って来ました~

2019.05.17

指定研究授業に向けた「稲作単元」がいよいよスタートしました。

まずは,体験から。

新潟市にある黒崎地区へ,田起こし・肥料まき体験に行って来ました。

肥料まきは均等に
かえる発見!
この作業,いつになったら終わるんだ…??
10aの田んぼを,16人で田起こし!……………果てしない!
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