個人研究

社会科: 椎井 慎太郎

附属新潟小学校3年目。椎井 慎太郎(しいい しんたろう)です。

研究教科は社会科。今年度は5年2組を担任します。


社会科は,「見える事実」を通して「見えない事実や概念」を捉える教科です。

そのために,みんなで話し合って(解釈を出し合って)問題解決に向かう

問題解決的な学習過程をより一層充実することが求められる今,当たり前ですが,そんな社会科を目指していきます!

今後、5年生の社会科を通して見えてきた成果と課題を随時upしていきます。

たくさんの皆様からご批正をいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いします。

感想や質問はこちらから → shiii@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

社会科は何を学ぶ教科ですか?「見えること」から「見えないこと」を考える

2020.05.29

「社会科は何を学ぶ教科ですか?一言でどうぞ」

と問われたら,私はこう答えます。

「社会科は概念を学ぶ教科です」

社会科における知識は,概念的知識や事実的知識,さらに用語や語句レベルのものまで多様にあります。

大切なことは,教科書を読んで終わる,事実的な知識のみの獲得で終わる(調べて終わる)のではなく,事実的知識(見えること)をもとに,概念的知識(見えないこと)を導き出すことだと考えます。

コロナ禍においても,本質は見失わずに。

「見えること」の確認で終わる社会科ではなく,「見えること」から「見えないこと」を考える社会科へ。

そして,それを実現するために「登校」と「遠隔」を組み合わせる。

そのアイデアを提案します。

分散登校時における「資質・能力」の育成に向けて~実践編~

2020.05.23

子どもたちの「学びの保障」のために,今,それぞれの立場から,アイデアあふれる工夫が求められています。

前回のデザイン編を受けて,今回は実践編。

分散登校時の社会科の工夫を考えてみました。

分散登校時における「資質・能力」の育成に向けて~デザイン編~

2020.05.17

子どもたちの「学びの保障」のために,今,それぞれの立場から,アイデアあふれる工夫が求められています。分散登校時の社会科の工夫を考えてみました。

〇 学習指導要領に規定されている「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)を意識した上で,「何を学ぶか」(指導すべき内容)を明確化し,今般の事態を受けた様々な環境変化を踏まえて「どのように学ぶか」(指導方法)を柔軟に見直すこと。

引用:令和2年5月15日 文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における『学びの保障』の方向性等について(通知)」

オンラインでつなぐ社会科

2020.05.08

オンライン学習が実現できても,「課題を与えてしまうだけ」の使い方をしたらもったいない。

そんなオンライン学習を,
「子ども目線で」「子ども中心に」つくっていくために,

課題提示の場面を工夫してみました!

一人一台タブレットの強みを生かして

2020.04.22

 平成29年度からスタートしたBYOD(Bring Your Own Dvice 個人所有のタブレット端末の活用)の取組が,今年度で完了する附属新潟小学校。次世代を担う子どもたちの情報活用能力育成に取り組んでいます。

一人一台タブレットの強み(例)

教師から資料を一斉に転送することで,カラーで資料の提供ができたり,子ども一人一人が必要な場所を拡大することができたりします。もちろん,書き込みも。

一人一人のスピードに合わせて動画等の視聴が可能になります。

 このような一人一台タブレットの強みを生かし,5年生社会科の導入単元「日本の国土とわたしたちのくらし」を,デザインしました。

日本の範囲ってどこまで…??タブレットや地球儀を使って,調べてみよう!

 今後,タブレット端末を活用していく授業が増えていくことが予想されます。もちろん,授業以外でも。

 このような未来を見据えて,少しずつ,でも着実に取組を進めていきたいと思っています。

 次回は,コロナ対応時における休校時の有効活用をご紹介します。

初等教育研究会,ありがとうございました!

2020.03.01

 令和初となる初等教育研究会。両日とも120名を超える先生方からご参観いただきました。誠にありがとうございました。

 ネット通販により増え続ける荷物,それに起因する再配達問題を教材にした2日間。子どもたちはいつも通りに学習問題に正対し,これまでの学びを生かしながらのびのびと取り組んでいました。残念ながら,最後の結論まで辿り着くことはできませんでしたが,情報通信技術の便利さやその役割に迫りつつあったと思います(この続きは,後日アップします)。

 また,上記の提案にも,たくさんのご批正をいただきました。いただいご意見を参考にし,来年度に向けて働き掛けを考え直していく所存です。

豊かに学ぶ子どもたちに感謝!1年間ありがとう!!

初等教育研究会「追究!ラストワンマイル!!-くらしと産業を変える情報-」

2020.01.26

提案する内容です

 新学習指導要領第5学年内容(4)を受けて構想した「新単元(運輸を選択)」を提案します!

 近年,運輸業界が直面する多くの問題が社会問題化していますが,その中から,「再配達の増加問題(ラストワンマイル問題)」を社会的事象として採り上げます。

 宅配事業者は,情報通信技術を活用することでどのようにしてこの現状を打開しようとしているのか…。そして,そのことによって私たちのくらしはよりよくなっているのか…。

 子どもが,主体的に追究していく2日間をぜひご覧ください!

様々な資質・能力を発揮する,素敵な16人です!

環境をともに守る~公式確認から54年,新潟水俣病を見つめる~

2020.01.07

「環境をともに守る」後編。

ビデオ遠隔授業として,新潟大学教育学部の講義室にライブ中継をしながら,学習問題に対する予想を議論しました。

「工場」「医療機関」「住民」「被害者」「行政(国,県,市)」「研究機関(大学)」などのいろいろな立場の人が,いろいろな取組をしていると予想した子どもたちは,白熱した議論を展開します。

どの予想が合っているか気になり始めた子どもたちは,調査活動に取り組み始めます。

一人一台タブレット端末を実現している環境を生かして,ネット検索や電話(+録音)などの方法を選択し,主体的に調査活動を進めていきます。同時に,アプリ機能を使ってプレゼン作成もしていきます。

調査の結果,様々な知識を獲得した子どもたちは黒板の通り,学習問題を解決することができました。

環境をともに守る~公式確認から54年,新潟水俣病を見つめる~

2019.12.10

 水俣病が熊本で公式発見されてから9年後,新潟県においても阿賀野川流域で水俣病が発生しました。1956(昭和31)年の出来事です。

 熊本と新潟で発生した水俣病は,四日市ぜんそく,富山のイタイイタイ病と合わせて,いわゆる日本の四大公害と呼ばれています。このころの公害の典型は,企業が加害者となり住民に被害を与えたもので,経済発展に伴って生じたひずみとも言われます。

本小単元は,このような公害を社会的事象として採り上げて学習する単元です。また,この小単元を通して育む資質・能力として,新学習指導要領では以下のように記載されています。

(5)我が国の国土の自然環境と国民生活との関連について,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること

(ウ)関係機関や地域の人々の様々な努力により公害の防止や生活環境の改善が図られてきたことを理解するとともに,公害から国土の環境や国民の健康な生活を守ることの大切さを理解すること。

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること

(ウ)公害の発生時期や経過,人々の協力や努力などに着目して,公害防止の取り組みを捉え,その働きを考え,表現すること。

 以上を受けて,単元の前半を次のステップで組織しました。

①北九州市の事例を採り上げ,公害の原因や発生時期,公害防止の取組を追究させる学習問題を設定する(第1時)。

学習問題設定は「トンネル型」で!

②第1時において設定した学習問題を追究させる(その日の宿題)

③調べて分かったことを共有させた後,新潟水俣病の事実を伝える(第2時)。

 16人のプレゼンの内容やよさを共有させた後,子どもたちが住む新潟にも「新潟水俣病」という公害があった事実を伝えます。驚きを隠せない子どもたちに,詳しく調べてみようと投げかけ,新潟市北区にある「新潟県立 環境と人間のふれあい館~新潟水俣病資料館~」に出掛けることを提案します。

④新潟水俣病について詳しく知るための調査活動を設定する(第3・4時)

見学の中で特に印象に残ったのは,語り部である山﨑昭正さんの語りでした。

「私の裁判で最後にしたかった。その思いで頑張った。最後の1人まで救いたかった」

「新潟水俣病になってよかった。なぜなら,新潟水俣病についてたくさんの人に理解してもらえるから」

山﨑さんから語られる実体験,その一言一言の重さ。子どもたちの心に,確かにつきささりました。

⑤新潟水俣病について分かったことをプレゼンにまとめさせる(週末の宿題)

⑥まとめたプレゼンを共有した後,新潟水俣病を発生させないための取組を追究する学習問題を設定し,予想を考える。

 新潟水俣病の真実を知った子どもたちに,「水俣病はまた起こってもよいか?」と問うと,子どもたちは口々に「二度とこの悲劇を起こしてはいけない!」と答えます。

 その声を受けて,上記の学習問題を設定しました。

 その後,予想を考えさせると,「工場」「医療機関」「住民」「被害者」「行政(国,県,市)」「研究機関(大学)」などのいろいろな立場の人が,いろいろな取組をしている,という予想にまとめられました。

 次時は,その予想について議論し,追究活動に移ります。

 その授業の様子を,ビデオ遠隔授業として新潟大学教育学部の講義室にライブ中継します(12/11 1限目)。学部生の皆さん,お楽しみに!

自然災害とともに生きるFinal~ホンネの減災,ホンキで実行~

2019.11.09

 資質・能力を育成するために,今後,より一層の充実が求められる「問題解決的な学習過程」。

 主体的・対話的で深い学びを実現するためには,この「問題解決的な学習過程」の工夫とより一層の充実が大切なポイントとなります。

 一連の過程を紹介します。

① 【学習問題の設定の場面】

 子どもの予想との間にすれを生む事実を提示し,不思議に思うことやこれから考えていきたいことを問います。

② 【問題解決の見通しをもつ場面】

 予想の成否について議論する場を設定した後,学習の進め方を問います。

学習の進め方を問うと,「調べたいこと」「調べる方法」「まとめる方法」を明確にします

③ 【学習問題を追究する場面】

学習の進め方を基にした調査活動設定します。

※明確な見通しをもった子どもたちは,様々な資質・能力を発揮して,主体的な追究活動を進めます。

④ 【学習問題を解決する場面】

 調べて分かったことを共有したり,専門家から新たな情報を付加してもらったりする場を設定した後,学習問題の結論を問います。

思考ツール:コアマトリクスを黒板上に示します。
分かったことを共有した後に,これまでお世話になった新潟県防災局の方から,新たな情報を付加してもらう場を設けます。
真ん中=コアの部分に,学習問題の結論が来ます!

ある子どもの結論の記述

 地震や津波,水害などの自然災害が多い日本では,減災を目指して国や県,市,区,個人で様々な対策をしています。例えば新潟県は,他の県よりも災害が多く,災害に弱い県です。実際に「中越地震」や「新潟・福島豪雨」などもありました。新潟県防災ナビには「県民に避難行動をしてほしい」という新潟県防災局の願いが込められています。だから,少しでも被害を減らすために避難行動をしてもらうという減災としての役割があります。

②「問題解決の見通しをもつ場面」についての指導案です。参考になれば幸いです。

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