個人研究

社会科: 椎井 慎太郎

附属新潟小学校4年目。椎井 慎太郎(しいい しんたろう)です。

研究教科は社会科。今年度は5・6年複式学級(高学年3組)を担任します。

社会科×ICTの視点から,一人一台端末を活用した社会科実践にも取り組んでいます。


子供たちの将来を見据え,そのための社会科はどうあるべきか。

子供たちが将来活躍する「これからの」社会を見据えたとき,私は,社会科を「未来の社会」に開くことが大切だと考えます。

そこで,目の前の子供たちが,

①日本が抱えている「社会的な問題・課題」に出合う。

②それを打開するための多面的な取組を追究する。

③それらの取組のつながりを見つけ,よりよい解決策を検討する。

そのような「社会の課題に目を向け,その解決策を考える」ことを意識した社会科授業を実践していきます。

今後、5年生の社会科を通して見えてきた成果と課題を随時upしていきます。

たくさんの皆様からご批正をいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いします。

感想や質問はこちらから → shiii@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

稲作単元 Final~スマート農業の夜明け③~

2019.09.08

 その後の追究場面において子どもは,各自の学習計画に沿って自力で調査活動を進めていきました。そして,半数の子どもが「水田センサ」の情報を得ました。↓タブレット端末上で子どもがまとめたプレゼン資料より

 問題解決場面では,「平成27年から1年しかたっていないのに,なぜ水回りの回数がこんなに減ったのか」と,学習の結論を問いました。調査活動で得た情報を持ち寄った子どもは,学習問題の結論となり得そうな情報を発表したり,より確かな情報を付け足したりしていくことで,「水田センサの取組をすることで,水回りの回数を減らした。予想の④が合っていた」と結論付けました。

 このような子どもに,専門家(市役所職員)から新たな情報を提示してもらう場も設定しました。来てくださったのは,新潟市農林水産部 ニューフードバレー特区課の近 史明 様です。

【近さんから教えていただいたこと】

・水田センサの取組は5年前から始められた。今は水門の開け閉めも全自動でできるシステムが開発され,そのおかげで田んぼに全く行かなくても水管理ができるようになった。

・「新潟市の農業力はすごい」と国に認められて、新潟市は数少ない国家戦略特区の一つとして指定された。そして,与えられたテーマとミッションがあって,テーマは「大規模農業の改革拠点」,ミッションは【5つの政策課題】。その中の「新たな技術を活用した革新的農業の展開」がスマート農業に当たる。新潟市の農業者はどんどん減っているから、それを何とかするにはスマート農業が非常に重要になってくると考えているため,一生懸命取り組んでいます!

・ 「水田センサ」以外のスマート農業の取組もしています。例えば,ドローン。ドローンは農薬を撒くのにも使われています。昔は大きなラジコンヘリコプターを使ったり、作業機を背負って撒いていたりしたけど、ドローンを使えば、誰でも楽に薬を撒けるようになる。将来的には複数のドローンがパソコンの命令で自動的に動くようなことができるように今実験しているところです。

子どもは,近さんの話を通して新潟市が推進しているスマート農業の概要と価値を,次のように捉えました。

少子高齢化が進んでいく中で、水田センサがつけば、そのことも解決すると思った。農家さんが減っている中でも、スマート農業によって機械化が進んで農業が楽になり、色々なことが年齢関係なくできるようになれば、未来はもっと農業が発展していく。

 このようにして子どもは問題解決し,スマート農業の価値を捉えました。

稲作単元⑥~スマート農業の夜明け②~

2019.08.22

指定研究授業の概要をお伝えします。

「平成27年から1年しかたっていないのに,なぜ水回りの回数がこんなに減ったのか」

前時までに,日本や新潟市の農業の問題点や課題を捉えた子どもたちに,水回り(田んぼの見回り)の省力化を実現した事実をデータとして示しました。

すると子どもたちは,

「えー!?」「どうして…⁉」

と驚いたり,疑問をもったりしました。

そしてできた学習問題。

みなさんなら,どのような予想をしますか?

次に予想を問うと,6つの予想が出てきました。

「どの予想が合っているんだろう⁇」と考え始めている子どもに,上記の「資質・能力」を発揮させるために,次のように働き掛けました。

予想を絞り込むための議論の場を設定し,再度自分が支持する予想を問う

子どもはたちは,どの予想が確からしいかを述べ合ったり,論じ合ったりします。

「⑥(天候の影響)に反対で,梅雨に雨が増えると言ったけれど,雨が増えたらその影響でもっと田んぼを見に行かなくてはいけないから,⑥には反対です」

「②(田んぼを見に行かなくてもよくなった)については,耕作放棄地が増えているから捨てられているという浦山さんの意見にも納得できるけれど,本当に農家としてやっていくのだったら,もっと田んぼを大事にすると思うから②には反対です」

「ぼくは意見が変わって②と⑥がなくなって,③と④になりました。⑥と②を消した理由は,友達の意見とぼくの意見を比べたからです。気候の影響(⑥)では,友達の意見の方が合っていると思い,なくなりました。②も農家さんは簡単に田んぼを捨てないかなあとそう思ったから,友達の意見に賛成して②もなくなりました」

考えたことや選択・判断したことを説明したり,それら基に議論したりする力

を発揮し,どの予想が合っているのかを検討した子どもたち。

この後,学習計画を立てて明確な見通しをもつことができました。

詳細は,指導案等をご覧ください!

稲作単元⑤~スマート農業の夜明け①~

2019.07.08

 いよいよ単元の後半がスタートです!

 後半は,新潟市において成果を上げているスマート農業の取組を社会的事象として採り上げました。

 以下,少々長いですが,解説とその価値をお伝えします。

 近年,農業分野では,担い手の減少・高齢化の進行等により労働力不足が深刻な問題となっています。また,それに伴って平均経営耕作面積が拡大しており,一人当たり作業面積の限界を打破するための省力化・負担軽減を実現する技術開発も喫緊の課題です。

 そのような中,全国トップクラスの農業力をもつ新潟市は,2014年5月1日に「大規模農業の改革拠点」として国家戦略特区に指定され,確かな成果を残してきました。その代表的な成果の一つが,「society5.0(内閣府)」でも紹介されているスマート農業推進の取組でです。スマート農業とは,情報通信技術(ICT)やロボット技術を活用して,省力化や大規模生産,品質の向上などを目指す次世代農業を指す言葉です。
 そこで本単元の後段では,新潟市において成果を上げているスマート農業の取組を社会的事象として採り上げました。具体的には,田んぼの水位,水温,温度,湿度を自動測定する水田センサに焦点を当てます。このことには,主に次の価値があると思っています。
 それは,ICTで創る新しい農業のかたちにふれることができるということです。水田センサの取組は,農家の水回りにかかる時間を短縮し,水管理の省力化を確かに実現します。ICTを駆使することにより,人口減少という現代的諸課題に起因する農業の問題点の一つ(人手不足による負担増)を改善することができるということです。

 スマート農業を学ぶことによって,「きつい」と言われてきた農業のイメージを払拭するきっかけとなり,さらに,このような革新的な農業を新潟市から実践・発信している事実を知ることは,衰退傾向にある農業への興味・関心にもつなげることができると考えます。

 第8時において,日本の農業の問題点や課題を学んだ後に,全国トップクラスの大農業都市である新潟市でも,3つの顕著な問題点があることを理解しました。

 そして,これらの問題点が複合的に絡み合うことにより,経営耕地面積の増加に伴う圃場の広域化・分散化が加速していることや,それによって引き起こされる水田の見回りに掛かる労力の負担軽減が喫緊の課題であることを捉えました。

 第11時では,水回り(田んぼの見回り)の省力化を実現した事実をデータとして示しました。これまで,「水回りの作業は大変で,時間がかかる」と捉えていた子どもはその事実に驚きます。その結果子どもは,「平成27年から1年しかたっていないのに,なぜ水回りの回数がこんなに減ったのか」と問いをもち,学習問題を設定しました。

 そして,その問いに対する予想を一人一人がもち,学級でも共有しました。 子どもとともに予想をまとめた結果,6つの項目にまとめることができました。

稲作単元④~単元前半の板書,すべて公開します!~

2019.07.01

 前時の予想について調査活動をした結果,平らな広い水田,豊かな水,季節風,昼夜の温度差が大きいなどの自然条件がお米に影響していることを理解しました。↓

第3時「新潟の米作りにはどんな自然環境が影響しているのだろう?」

 米づくりの仕事について調べ,農事暦にまとめました。稲作農家の人々は,種まきから収穫までの間,稲の生長に合わせて工夫や努力を重ねていることを捉えました。↓

第4時「米作り農家の人たちは,一年を通してどんな仕事をしているのだろう?」

 作業時間の減少に問いをもった子どもは,農家の人たちが,よりよい米づくりのためにどのように協力し合っているかを調べ,話し合いました。機械化による生産技術の向上に努め,生産の効率を高め,労働時間の短縮を進めていることや,南魚沼市の人々は地域で協力し品種改良等を進め,一単位面積当たりの収穫量を増やしていることを理解しました。↓

第5・6時「なぜ,稲作の作業時間はこんなに減ったのだろう?」

 南魚沼市の米が消費者に届けられるまでの様子を調べて,生産地と消費地を結ぶ運輸の働きとともに,カントリーエレベーターや運輸の働きにより,味を保ちながら早く全国の消費地へ届けることができることを学びました。↓

第7時「米はどのようにして食卓に届けられるのか?」

※第8時は,「新潟県のお米の生産量があまり変わらない秘密は何か」の答えについて,記述しました。

稲作単元③~単元の学習問題作り→解決その1~

2019.06.18

大切な大切な単元の学習問題作りの1時間。

 「米の生産量と消費量の変化」を表すグラフを提示した後,「新潟県の米の生産量」を表すグラフを提示することによって,「なぜ他の県はお米の生産量が下がっているのに,新潟県はあまり変わらないのか?」という疑問をもちました。

 そしてできた単元の学習問題は「新潟県のお米の生産量があまり変わらない秘密は何だろう」です。

予想を問うと,大きく分けて3つの予想が!

 3つの予想のうち,まずは「新潟の自然環境」に関わる予想に焦点を当てました。そしてできた学習問題が「新潟の米作りにはどんな自然環境が影響しているのだろう」です。

 この学習問題の予想として挙がったのは,①天気,②気温,③土がいい,④土地が広いの4つでした。次時は調査活動です!結論はいかに!? 

稲作単元②~田植え体験に行って来ました~

2019.06.06

第2弾は,田植え体験

田起こし・肥料まき体験を行った黒崎地区へ,今度は5年1組と2組とともに訪れました。

作業時間はトータルで1時間。84名が前半と後半に分かれ,手際よく10aの田んぼに苗を植えました。

体験をしたからこそ分かる大変さや,情報,新たな知識。

次回の舞台はいよいよ教室です!

稲作単元①~田起こし・肥料まき体験に行って来ました~

2019.05.17

指定研究授業に向けた「稲作単元」がいよいよスタートしました。

まずは,体験から。

新潟市にある黒崎地区へ,田起こし・肥料まき体験に行って来ました。

肥料まきは均等に
かえる発見!
この作業,いつになったら終わるんだ…??
10aの田んぼを,16人で田起こし!……………果てしない!

タブレット端末活用授業in高学年3組

2019.05.10

 いまや様々な場面で活用されている情報通信技術。附属新潟小学校でも平成29年度からBYOD(Bring Your Own Dvice 個人所有のタブレット端末の活用)の取組をスタートし,次世代を担う子どもたちの情報活用能力育成に取り組んでいます。

 今後,タブレット端末を活用していく授業が増えていくことが予想されます。このような未来の授業を見据えて,当校にテレビ取材がありました。

 「デジタルだからこそできる授業ってどんな授業?」「子どもはタブレット端末をどのように使っているの?」といった様子が分かる授業を行いました(5年生社会科「日本の地形と気候」)。

その様子が他学級等の授業場面と併せて,5月15日(水)の夕方,NST「Live News it!(18:14~19:00)」において放映されます!興味のある方は,どうぞご覧ください(ニュース次第で変更の可能性があります)。

令和元年度がスタートしました

2019.04.25

附属新潟小学校2年目。椎井 慎太郎(しいい しんたろう)です。研究教科は社会科。今年度は高学年複式学級を担任します。
今後、5年生の社会科実践を随時upしていきます。
たくさんの皆様からご批正をいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いします。

今年度は5年生社会科における「見通しの場面」を研究します!


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