個人研究

総合: 梅津 祐介

総合: 梅津 祐介

附属新潟小学校3年目となりました。今年度は6年生を担当します。

総合的な学習の時間は,新たな発想を生み出す基になる論理的な思考力や構想力,直観力などを育成する学習,すなわち「創造性を磨く」学習だと考えています。
そこで,目指す子どもの姿を「学びの道筋を描き,実現させていく子ども」と設定しました。小学校における総合学習の出口をどう設定すべきかということも考えながら,研究を進めていきます。

「正解のない問い」を設定する

2019.12.04

「10年後の新潟のまち」をテーマとしたテレビ番組を制作し,若い人たちに提案することが単元の目的です。子どもたちがバックキャスティングによって描いた10年後の新潟は「楽しいまち」であり,それは「人と人とのつながり(コミュニティ)」があるまちだと考えます。

そのようなまちの姿を求め,行き着いたのが「沼垂テラス商店街」でした。 沼垂地域は新潟駅から直線で800mほどの位置にあり,新潟市の中でも特に歴史が深いまちです。近年,昔ながらの長屋スタイルを生かした商店街や,発酵・醸造のまちとしての活気を見せています。休日に開催する朝市では,2000人ものお客さんが訪れます。商店街を見学をした子どもたちも,人との関わりが深く,また来たくなるまちとして,その魅力を感じていきます。

しかし,そのような商店街も平日の人通りは決して多くはありません。その原因の一つを駅から商店街までの人の流れが少ないことに求めた子どもたちは,駅から商店街の間に,ワクワク歩けるような何かがあれば,人の流れができるのではないかと考え始めます。

人の流れのつくり方にはこれといった正解はありません。総合学習では,このような「正解のない問い」を設定することが大切です。探究する授業なのですから,考えることがみんな違って当然です。解が一つにならないからこそ,子どもが子どもなりに道筋を立てていくのです。この道筋が,「探究プロセス」と呼ばれるものになるわけです。

子どもと一緒にゴールを描こう

2019.08.13

 附属新潟の総合学習は,70時間の大単元をつくって活動します。大単元をつくることには子どもの目的意識を継続させる難しさがありますが,そこは教師と子どもが単元のゴールを一緒に描くことで乗り越えていきます。まちづくりをテーマとする本単元では,自分たちが描いた10年後のまちの姿と,それを実現させる方法を多くの人に伝えたいと子どもは考えました。「大きなホールで発表したい」「動画にまとめて発表したい」という子どもの願いを聞きながら,教師は「会場は,大学のホールでどうだろうか」「ケーブルテレビで番組をつくろう」と提案していきます。これがゴールを描くときの教師の役割です。

 

 ゴールが少し具体的になってくると,子どもはプロセスにも目を向けるようになります。誰に伝えるか(ターゲットの焦点化),誰に会うか(協力者の選定),何を考えるか(情報の整理・分析),というような意見も子どもの側から出てきます。本単元においては,「私たちは楽しいまちを目指しているけど,考えていることはみんな違うよね」という子どもの発言が秀逸でした。この発言が,子どもにとって合目的的な活動に転換するきっかけになりました。これは,教師と子どもが一緒になってゴールを描こうとしたからこそ表出されたものだと思います。  

 

 ゴールを描いた子どもが,10年後のまちについて,何を,どのように考えたのか。次回の更新でお伝えします。

描こう!10年後のまちの未来

2019.07.26

 国語科で学習したコミュニティデザイナー山崎亮氏の「町の幸福論」を知識のベースとして,総合学習をスタートさせました。

 国語の授業だけでは扱い切れない内容を総合学習で学ぼうと提案しました。まず, 「町の幸福論」に倣って,バックキャスティングによって10年後の新潟のまちの姿を考えました。子どもが考えた10年後のまちは,「楽しさを感じられるまち」「人々の交流があるまち」「笑顔が絶えないまち」など多岐に渡りました。

 「観光客をどう呼び込むか」という外に意識が向いている子どももいたので,10年後の未来は「市外や県外に住む人のためか,それとも10年後の自分のためか」を問いました。視点を明確にさせるためです。この働き掛けによって子どもは,「10年後の自分のため」という視点を定め,これを踏まえた話し合いによって,目指す10年後のまちの姿が「楽しいまち」に決まりました。

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