個人研究

総合: 梅津 祐介

総合: 梅津 祐介

附属新潟小学校4年目となりました。今年度も6年生を担当します。

 

これからの社会に求められる力は
「問題を解決する力」よりも「問題を見つける力」へ
「モノをつくり出す力」よりも「意味や価値を与える力」へと変わってきています。
このような要請に応えられる教科が,総合的な学習の時間です。

 

「〇〇を商品開発した」「△△に取り組んだ」
というようにコンテンツに注目されがちの総合学習ですが
「子どもが身に付けた力は何か」という問いに
子どもの姿と,教師の適切な評価方法で明確に答えられる単元を設計していきます。

 

ご連絡は下記まで
umetsu@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

探究プロセスで育成される力

2020.05.30

 社会の問題を自分ごととして考える総合学習において,校外学習や外部講師を招聘することが制限されてしまう今の現状にやり切れなさを感じている方がたくさんいると思います。そして,この状況をオンラインで乗り切ろうと考えている方もいらっしゃると思います。

 でも,ちょっと待ってください。オンラインでできる方法を考える前に,子どもにどんな力を付けたいのかを考えましょう。総合学習でこそ育成される力とは何かを考えましょう。その上で,この状況でできることを考えることで,本質を見失わないで済むのではないでしょうか。

 ここで提示したことをベースとしたとき,これからどんな総合学習を展開することが可能なのか,いくつかのアイデアを次回の更新でお示しします。

ご意見・ご感想をお待ちしています。

umetsu@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

私たちにできること

2020.04.23

今年度も6年生を担任しています。
コロナウイルス感染症が拡大する中,様々な教育活動が制限されています。


 1年生を迎える会もない
 委員会活動もない
 運動会も延期


子供たちは6年生らしさを発揮する場を奪われ,
力を持て余していました。
6年生として誰かの役に立ちたい,という気持ちが日に日に高まっていきます。
このようなときだからこそ,子供たちの目を社会に向けさせるチャンスです。


そこで,「私たちにもできること」を主題とした学年集会を行いました。
今の状況,子供たちが課題として捉えたのは,やはりマスクの不足でした。
マスクであれば,自分たちで作製して,必要としている人,守りたい人に渡すことができます。
作製したマスクを誰に渡すのか。
介護施設を利用しているお年寄りや,低学年の子供たちという案が出ましたが,
今回は入学したばかりの1年生のためにマスクを作製し,渡すことにしました。



臨時休校に入る前日,なんとか作製を間に合わせました。
手作りマスクをもらった1年生も嬉しそうでしたが,
それ以上に誰かの役に立てた充実感や達成感を味わった6年生の方が嬉しそうにしていました。

番組制作に取り組む

2020.01.30

これまでの学習の足跡を残したテレビ番組を,NCV新潟様の協力を得ながら制作しました。この番組を制作して終わりではなく,自分たちの提案を伝えるためのツールとしてどう活用していくのか,これから考えていきます。

物事の捉え方を変える

2020.01.22

総合学習では,「課題を課題として理解する力」や「自分なりの根拠をもって説明する力」を育てたいと思っています。こういった力は,探究のプロセスが発展的に繰り返されることによって育っていきます。発展的に繰り返す,ここに総合学習の特徴があります。

子どもの物事の捉え方が変わるとき,学習活動が発展します。物事の捉え方が変わるとは,どういうことか。地元の食の魅力を伝える活動を例にして説明します。

食の魅力を食材のおいしさだと考えた子どもは,食材のおいしさを伝える活動に取り組みます。しかし,魅力の捉え方が,生産者の思いだと変わった子どもは,食材のおいしさと生産者の思いを伝える活動に取り組みます。これが,物事の捉え方が変わって,学習活動が発展するということです。今年度の単元「未来デザイン・ラボ」では,子どものコミュニティの捉え方が変わっていきます。

今年度の単元「未来デザイン・ラボ」では,子どものコミュニティの捉え方が変わっていきます。そのあたりの仕組みを,研究会の全体発表でお話したいと思います。

「正解のない問い」を設定する

2019.12.04

「10年後の新潟のまち」をテーマとしたテレビ番組を制作し,若い人たちに提案することが単元の目的です。子どもたちがバックキャスティングによって描いた10年後の新潟は「楽しいまち」であり,それは「人と人とのつながり(コミュニティ)」があるまちだと考えます。

そのようなまちの姿を求め,行き着いたのが「沼垂テラス商店街」でした。 沼垂地域は新潟駅から直線で800mほどの位置にあり,新潟市の中でも特に歴史が深いまちです。近年,昔ながらの長屋スタイルを生かした商店街や,発酵・醸造のまちとしての活気を見せています。休日に開催する朝市では,2000人ものお客さんが訪れます。商店街を見学をした子どもたちも,人との関わりが深く,また来たくなるまちとして,その魅力を感じていきます。

しかし,そのような商店街も平日の人通りは決して多くはありません。その原因の一つを駅から商店街までの人の流れが少ないことに求めた子どもたちは,駅から商店街の間に,ワクワク歩けるような何かがあれば,人の流れができるのではないかと考え始めます。

人の流れのつくり方にはこれといった正解はありません。総合学習では,このような「正解のない問い」を設定することが大切です。探究する授業なのですから,考えることがみんな違って当然です。解が一つにならないからこそ,子どもが子どもなりに道筋を立てていくのです。この道筋が,「探究プロセス」と呼ばれるものになるわけです。

子どもと一緒にゴールを描こう

2019.08.13

 附属新潟の総合学習は,70時間の大単元をつくって活動します。大単元をつくることには子どもの目的意識を継続させる難しさがありますが,そこは教師と子どもが単元のゴールを一緒に描くことで乗り越えていきます。まちづくりをテーマとする本単元では,自分たちが描いた10年後のまちの姿と,それを実現させる方法を多くの人に伝えたいと子どもは考えました。「大きなホールで発表したい」「動画にまとめて発表したい」という子どもの願いを聞きながら,教師は「会場は,大学のホールでどうだろうか」「ケーブルテレビで番組をつくろう」と提案していきます。これがゴールを描くときの教師の役割です。

 

 ゴールが少し具体的になってくると,子どもはプロセスにも目を向けるようになります。誰に伝えるか(ターゲットの焦点化),誰に会うか(協力者の選定),何を考えるか(情報の整理・分析),というような意見も子どもの側から出てきます。本単元においては,「私たちは楽しいまちを目指しているけど,考えていることはみんな違うよね」という子どもの発言が秀逸でした。この発言が,子どもにとって合目的的な活動に転換するきっかけになりました。これは,教師と子どもが一緒になってゴールを描こうとしたからこそ表出されたものだと思います。  

 

 ゴールを描いた子どもが,10年後のまちについて,何を,どのように考えたのか。次回の更新でお伝えします。

描こう!10年後のまちの未来

2019.07.26

 国語科で学習したコミュニティデザイナー山崎亮氏の「町の幸福論」を知識のベースとして,総合学習をスタートさせました。

 国語の授業だけでは扱い切れない内容を総合学習で学ぼうと提案しました。まず, 「町の幸福論」に倣って,バックキャスティングによって10年後の新潟のまちの姿を考えました。子どもが考えた10年後のまちは,「楽しさを感じられるまち」「人々の交流があるまち」「笑顔が絶えないまち」など多岐に渡りました。

 「観光客をどう呼び込むか」という外に意識が向いている子どももいたので,10年後の未来は「市外や県外に住む人のためか,それとも10年後の自分のためか」を問いました。視点を明確にさせるためです。この働き掛けによって子どもは,「10年後の自分のため」という視点を定め,これを踏まえた話し合いによって,目指す10年後のまちの姿が「楽しいまち」に決まりました。

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