個人研究

特別活動: 八子 正彦

特別活動: 八子 正彦

附属新潟小学校に来て,5年目になりました。
今年度は,生活指導主任を務めます。

全校目線で特別活動の熱を育んでいきたいと思います。

学級力に関わるお問い合わせも大歓迎です。

今年も,みなさんで,特活を盛り上げていきましょう!
よろしくお願いします。

 

連絡はこちらへ

yako@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

協議会でお伝えできなかったココだけの話

2021.02.08

 学級活動の授業動画を視聴していただいた皆様,また,授業協議会へ参加していただいた皆様,貴重なお時間をいただきありがとうございました。

 そして,指導者の新潟大学教職大学院 教授 相庭和彦様,司会者の新潟市教育委員会 学校支援課 総括指導主事 三條貴之様,協力者の新潟市立金津小学校 教諭 江部壮彦様,協議会でのご指導や活発なご意見,ありがとうございました。協議会の内容につきましては,概要を研究紀要でご紹介します(是非,ご購入ください!)。こちらでは,協議会で私がお伝えできなかったことについてご紹介します。

 今回の提案は,ズバリ「45分で合意形成に至る授業」です。授業動画をご覧になった方からのアンケートでは,授業冒頭で教師が子供と話合いの方向を定めていく様子に驚いたという感想を多くいただきました。「話合いを分析的に見ていくには必要だ」「もっと子供に任せてもよいのではないか」などのご意見をいただきました。年間35時間しかない学級活動で,合意形成を図る力を高めていくために,教師が積極的に指導・支援していきたいというのが,私の基本的なスタンスです。休み時間等での計画委員会への指導や表に出てこない教師の指導も必要です。しかし,学級活動がこれから生き残っていく(少し大げさですが)ためには,「学級活動でしか育成できない資質・能力はこれだ」「そのために必要な授業づくりのポイントはこれだ」という授業レベルでの主張が重要です。

 私の主張については,授業動画,指導案,協議会,全体発表,ホームページ等で繰り返しお伝えしてきましたので,こちらでは割愛させていただきます。協議会でお伝えできなかったココだけの話は,授業後の子供の姿です。長い前振りになりました(笑)。

 下掲の振り返りは「ペアグループ交流」への強い思いをもっていた子供の振り返りです。自分と異なる意見に共感して話し合うことができたことや,話し合うことの意味を理解しています。

 次は,話合い後の実践①「誕生日チェーン(1年生と6年生とで喋らずに誕生日順に車座になる)」を行った振り返りです。話合いで自分と異なる立場に立って考え,そのよさを理解して実践したからこそ生まれる気付きです。「話合い→実践→話し合ったことを生かして課題を解決したことの自覚→話し合うことの意味を理解→話合い」というスパイラルで合意形成する力が高まっていくと考えています。

 さらに,実践①で「1年生に進んで関われなかった」という振り返りを受け,実践②では「こおりおに(違う学年からのみ助けてもらえる)」を行いました。実践の前後に短い時間でも全体での確認や振り返りを行うことで,話し合ったことを生かして実践したり,それができたことへの自覚が促されたりしていきます。

 終わりに,少し大きな話を。私は,今年度研究会の全体発表で,「子供たちには,全員が納得する究極の方法を探し出すことではなく,他者の思いに共感し,少しでも歩み寄って結論を出してほしいと願っています。学級会でのそのような姿が,多様性が共存する社会の形成者としての第一歩なのです」と述べました。そのために大切なことは,教師が手立てを試行錯誤することではなく,子供が自分たちで生活の諸問題を見付け,話し合って解決方法を探り,解決できたということを自覚することです。いくら教師が手立てを精選したり崇高な指導観を抱いても,子供自身が問題意識をもったり解決できたことを自覚したりできていなければ,絵に描いた餅で終わってしまします。

 最後にご紹介するのは,今年度最も印象に残ったことをテーマに,6年2組のある子供が書いた作文です。私が目指す子供の姿の片鱗がうかがえます。学活らしく,子供の姿で結ばせていただきます。

 今年度いただいたご指導・ご意見を,来年度研究に生かしていきたいと思います。これからも,皆さんで特活を盛り上げていきましょう!

「多様性の可視化により合意形成を引き出す学級会」

2020.12.19

CLICKしてくださった皆さん,ありがとうございます!

 春から継続してきた,1年生との交流活動「With 1年生」。これまで,1年生と6年生との1対1のペアで活動してきました。ペアは,ずっと同じペアでした。活動の見直しを図ると,「他の1年生とも関わりたい」という思いが広がっていることが分かり,ペアを替えるか替えないかで話し合うことになりました。最終的には,多数決で結論を出すことになり,その差はわずか3人・・・。

さて,子供たちはどのようにして結論を出すに至ったのでしょうか。そして,自分の思いが通らなかった子供は,どのようにして決まったことに納得したのでしょうか。

「学級のみならず学校生活にまで目を向けさせる」

2020.06.28

 欲張りな皆さん,ようこそおいでくださいました(笑)。

 学習指導要領解説の「学級活動(1)の発達の段階に即した指導のめやす」の高学年の欄には,このタイトルのように書いてあります。しかし,今年度はやっと最近になって全校での一斉登校が始まり,子供を自身の学級の問題にじっくりと向き合わせられない悩みも多いと聞きます。そんな中でも,6年生にはよりよい学校づくりの視点を持たせて,課題解決に取り組ませたいものです。

 そこで,限られた時間の中で,子供が学級にも学校にも目を向け,課題を見いだし,解決していく実践を紹介します。それは,

1年生との関わり

です。なーんだ,と思われる方もいるかもしれませんが,私は次のように関わらせています。

【With 1年生】
・週に1回,1年生の学級と10分程度継続的に交流する。
・1年生と6年生とのペアを決める。ペアでの行動が基本。
・とにかくペアで遊ぶ。ときにはペアを超えても,全体でも。
・活動を進めながら,目的(活動の価値)を深めていく。
・振り返りと事前準備を充実させる(ただし,短時間で)。
・3密を避け,活動の前後に必ず手洗いをさせる 。

 活動を初めて3週間程度ですが,今では6年生が1年生の教室へ行くと,1年生から黄色い歓声が上がります。育成したい資質・能力は次の通りです。

〇 人間関係形成
  ・1年生の多様性を尊重する
  ・異なる思いを持った1年生を抱える,同じ学級の仲間との違いを乗り越える
〇 社会参画  
  ・最高学年として,自分たちの卒業後もよりよい学校生活が続くように活動する
〇 自己実現  
  ・1年生のお手本として,なりたい自分を目指す

 今回は,ほんの概要しかお伝えできませんでしたが,子供の姿で少しずつこの「欲張り実践」の経過を紹介していきます。

子どもが「だから,話合いって大切なんだ!」と実感します!

2020.06.02

 学校に登校できることに子どもが喜びを感じることができる今だからこそ,「この学級でよかった」「この学級のみんなともっと〇〇したい」という所属感を高めるチャンスです。所属感を高めるには,集団としての課題を協力して解決したという成功体験を蓄積させることが必要です。

 そんなときに,私が難しいと感じるのは,話し合ったことと実践したことがなかなか結びつかないことです。一生懸命話し合ったのに,いざ実践させてみると活動に夢中になって話し合ったことを忘れてしまう・・・。そんな経験はないでしょうか。ここでは,子どもが実践しながら話し合ったことに立ち返る方法を紹介します。

勝手に学級会奥義④~複数の柱で行う3段階討議法の限界~

2020.01.05

先日,とある小学校の研究会にお邪魔しました。6年生の学級会の授業を参観させていただきました。学級で行うイベントについて,「何を行うか(内容)」「どのように行うか(工夫)」について,3段階討議法での話合いでした。

子どもたちは,大変よく鍛えられていました。特に,司会の子どもたちの進行は見事でした。決められた時間を意識しながら,非常にスムーズに進行していました。

しかし・・・。

授業後の振り返りの記述を見ました。子どもたちは一様に 「時間通りに進んでよかった」 「司会の進め方がとてもスムーズだった」 と記述していました。進行に関わる内容ばかりでした。

あれ?一人一人の思いは?違いや多様性を生かす姿は?

ここが,複数の柱で行う3段階討議法の限界ではないでしょうか。「時間内に〇〇と◆◆を決めなければいけない」と思うあまり,一人一人の思いや願いが置き去りになってしまう。それは,「少数派の意見にこだわることが,スムーズな進行を妨げる」「空気を読んで回りに合わせる」という考え方を生みはしないでしょうか。

読むなら,空気よりも他者の思い

そんな子どもを育てたいと,私は思います。そこで必要になるのが,一人一人の思いを可視化する

「納得軸(改良版)」

です。これが,他者の思いを読むきっかけになります。

他者の思いを読む子どもの姿をご覧になりたい方は,是非,初等教育研究会へ! お待ちしております。

勝手に学級会奥義③~納得できなくてもいいですか~

2019.09.23

 「先生~,私は今回納得できなかった~」

6年2組のある女子児童(Hさん)が,附属オータム研修会での学級会の授業後,残念そうに私に言いに聞きました。学級会では,これまで続けてきた1年生との交流活動を,他の学年にも広げていくかどうかについて話し合いました。これまでの学級会では,みんなが納得することを目標として話し合ってきました。だから,このHさんのように,納得できなかったことが残念だという気持ちは,よく分かりました。

 しかし,…ん?納得できないことが残念?本当にそれでよいのか?

 ふと,Hさんの表情を見ながら,今聞いた言葉を思い返していると,そんな疑問が浮かんできました。また,授業後に行った協議会(指導者:新潟薬科大学 橋本定男先生,新潟市教育委員会学校支援課 三條貴之先生,新潟市立新津第一小学校 齋藤航先生)では,私の授業の問題点から,その疑問がこれからの重要な課題になることが分かりました。

  「納得するために話し合うのではなく,話し合った向こう側に納得が見えてくるのでは」

 私は,子どもに納得することを強要していたのかもしれません。直接的な言葉で「納得することがよい」「納得しないことがよくない」と言ったことは一度もありません。しかし,子どもは教師の一挙手一投足を本当によく見ています。わずかな言動や言葉の端々から,私が納得することを促していたのかもしれません。反省です。

 6年2組は,誰が発言しても共感的に聴くことができ,他人の失敗を励まし,男女分け隔てなく接する温かい学級です。これから目指すのは,その支持的風土の上に積み上げる「意見を吟味する」「主張を戦わせる」「思いをぶつけ合う」ような話合いだということが見えてきました。問題の解決策についてのよさや改善点を明らかにし,学校や学級にとってよりよい解決策を探る話合いです(こう書くととても当たり前なのですが)。納得軸の形や使い方も,再考が必要のようです。「納得できなくてもいいんだよ」と,教師が(あるいは子ども自身が)胸を張って言える授業にしていかなければなりません。

 何だか懺悔のような投稿になってしまいました。皆さんにとっては,百も承知のことですよね。未熟な八子が足を踏み外さないのは,素晴らしい子どもたちと頼もしい指導者の方々のおかげです。

勝手に学級会奥義②~多数決で決めてもいいんです~

2019.08.02

皆さんは,学級会で子どもたちの意見がA案,B案の真っ二つに割れたら,どのように決めさせますか。

 よいとこ取りのC案を提案させますか。

 縮小してどちらも行わせますか。

A案を先に行わせて,B案は今度行わせますか。

  それで互いの意見を理解し合って,合意形成させることができるのでしょうか。

安易な合意形成になりはしませんか。

   

 なんて書きましたが,新たな案を提案させたり,どちらも行うことになったりもしますよね。

 私はあえて,多数決で決めることも許容しています。

なぜなら,多数決をゴールに持ってくることで,子どもたちは学級の全員が納得して結論を出したいと願い,自分とは意見の異なる他者に共感しながら合意形成を図ろうとするからです。

 そのために,6年2組で用いているのは

納得軸

です。これです↓

楕円の中は子どもの名前が入ります

提示の仕方や話合いでの用い方に工夫があります。これだけ見ていただいても伝わらないと思いますので,是非研究計画と指導案をお読みください。または,9月20日(金)の附属オータム研修会で授業をご参観ください。

子どもが学級内の他者の考えを一目で知ることができ,納得してもらいたいターゲットをしぼって話し合うことのできる奥義,それが納得軸です。

「プロジェクト1」で遊びを新開発!

2019.06.28

 1年生との温かい関係づくりに努めてきた6年2組の子どもたち。教室から体育館へ飛び出して,おにごっこをすることにしました。しかし・・・。

 やってみると,問題勃発!みんなが思い思いに逃げてしまい,全然ペアの1年生と関われないのです。そこで・・・。

話合いです!15分間ほどの短い時間で,課題を共有して解決策を考えたところ・・・。

 遊びを新開発!

その名も「てつなぎたすけおに」!基本的にはたすけおにですが,おにも逃げる人も1年生と6年生とのペアで手をつながなければなりません。ペアでの関わりが生まれただけでなく,「6年生と手をつないだら速く走れて楽しかった」なんていう1年生もいました。

正に「為すことによって学ぶ」子どもたちの姿でした。

勝手に学級会奥義①~適切な学級会の議題は・・・~ 

2019.06.17

 みなさんは,子どもたちが自分の学級に対する思いを熱く語り合う学級会をしたいと思いませんか。 

 そのために大切なことの一つが,議題です。学級全員が「話し合いたい」「話し合う必要がある」と思う議題を設定する必要があります。議題箱を設置して計画委員会で選定していく方法が王道ではないでしょうか。しかし,子どもはそれぞれの視点で思い思いの議題を提案するため,学級会で扱うには至らない議題の候補がたくさん出てきます。せっかく生まれた一人一人の思いの火を消してしまうのもったいないです。

 議題は,育てるものです。

 私は「学活ノート」を書かせることにしています。「学活ノート」には,学級活動の時間や学校生活の中で行った活動についての振り返りを書かせます。その中から学級会の議題につなげたいものを教師が意図的に取り上げて全体で紹介し,さらにその内容についての意見をノートに書かせていきます。その一部をさらに紹介します。「学活ノート」の議題に関わる効果は,次のようなものがあります。

 ・少しずつ議題への必要感や問題意識が醸成されていく。

 ・学級や学校の生活の中から問題を見付ける目が養われる。

 年間35時間しかない学級活動。その時間に行う学級会で扱う議題については,教師が1年間を見通して,意図的・計画的に指導する必要があります。

 ちなみに,私の学級で使っている「学活ノート」は,市販のB5サイズのノートを4等分にしたものです。1冊80円程度だったので,1人あたり20円です。お財布にも優しくなっております。

「プロジェクト1」始動!

2019.06.11

みなさんは,6年生が必要感を持って話し合う議題は,どのようなものだと思いますか。学級のお楽しみ会の内容では物足りないし,突然学校のための活動を取り上げても意欲は高まらない気がします。

6年2組では,1年生と関わることで学級の実態に気付かせ,話し合わせようと考えています。学級の枠を越えた人と人との関わりの中で生まれる課題が,6年生としての自覚を芽生えさせ,必要感を持った話合いにつながると考えたからです。

まずは,難しいことを考えず,1年生と6年生のペアで楽しく関わる交流活動からスタート!子どもは,成果や課題を振り返り,学級の課題を明らかにしていきます。

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