個人研究

音楽科: 米山 陽子

音楽科: 米山 陽子

米山 陽子(よねやま ようこ)と申します。
研究教科は音楽科です。

附属新潟小学校5年目になりました。

今年度は,大学連携(教育実習など)や1~6年生の音楽授業を担当しています。

学校で音楽科を学ぶ意味は何でしょうか。仲間と関わり,個々の表現や発言から学び合う中で,音楽的な力と人間性を身に付けること,そして音楽を「窓」として世の中のあらゆるものに対する感性を高めること,この二つが学校における音楽教育の目的だと私は考えます。

 

コロナ禍を経て,音楽科の学び方は大きく変わろうとしています。

音楽は生涯を通じていつもそばにあるもの。

音楽を通じて子供の人生が豊かになるような実践を目指します。

 

今年度も附属新潟小学校の素敵な子供たちと一緒に学んでいきます。
実践について,多くの皆様から御批正をいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

研究キーワード:「日本や世界の音楽」「対話」「ICT活用」

メールはこちらからどうぞ:yoneyama@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

初等教育研究会が終わりました

2023.10.27

 初等教育研究会が終わりました。休日にもかかわらず,県内・県外から多くの皆様にご参会いただいたことに感謝申し上げます。

 今回の授業は,子供が幼少期から経験している音遊びの延長線を伸ばし,楽器の音色やリズムを工夫しながらグループでリズムフレーズをつくり,それらを通して学んだことを鑑賞曲に見いださせることをねらった授業でした。

研究会当日は音楽に合わせて体を動かしたり音楽の続きを想像したりすることを通して,自分にとっての曲や演奏の楽しさを見いだすことができました。                                                                 

 未来を生きる子供たちの深い学びを支えるために,音楽科では何ができるのかこれからも考えていきます。

 

2年生 音楽科 音楽でみんなとつながろう

2023.04.27

 4月は,新しいクラスの仲間や先生との出会いに心が弾み,前向きなエネルギーであふれる時期です。一方,クラス替えなどがあって不安な気持ちを抱えている子供もいるのではないでしょうか。子供たちにとって,音楽の時間が安心できる場所であり心の解放できる空間であることを伝えるために,時間をかけて土壌づくりをしたいものです。

 2年生「いろいろなくにのおどりの音楽」は,2年生初の鑑賞教材です。まず,子供たちと「シーン」とする時間を共有します。音楽の授業というと,音や音楽が聞こえる場面を想像しがちですが,この「静かな状態を自分たちでつくる」ことは,この先の音楽活動でも大切なことです。

 今回は,みんなで目を閉じて「シーン」とする時間をつくり,聞こえる音を探すことから始めました。30秒待って,聞こえた音をオノマトペで表現させます。すると,同じエアコンの音でも「スー」「ボー」「ザザザー」など聞こえ方が人によって違うことが分かりました。真剣に音を聞き取ろうとしていたこと,自分の言葉で聞こえた音を表現できたことを価値付け,教科書に掲載されている「せかいのおどりの音楽」3曲を比較聴取しました。

 音楽に合わせて体を動かしている子供を捉え,「どうして〇〇の動きが合うと思ったの?」と問い返します。子供が聴き取ったこと(音色やリズムなど)と感じ取ったこととを関連付けながら板書にまとめました。

 最後は,踊って楽しみたい!と子供たち。それぞれの国の音楽の特徴を感じ取りながら表現する姿が見られました。

附属ミュージックステーション2022

2022.12.18

附属ミュージックステーション(校内音楽祭)は,音楽科の授業で行っている歌唱・器楽・音楽づくり・鑑賞の学習内容を生かして作品として発表する機会です。

その過程で,音楽祭当日をゴールとし,子供一人一人の音楽的な表現力や学年全体で創り上げる音楽の素晴らしさを引き出し,見に来てくださった人も楽しめるようなステージづくりを心がけています。

3年生「3シャイン   ~みんなの笑顔で    日本晴れ~」
・永島流新潟樽砧 
・斉   唱「ほしぞら」
・合   奏「夢をかなえてドラえもん」

1年生「げんきいっぱい    ともだちいっぱい」
・斉   唱「あさごはんのうた」
・斉   唱「さんぽ」
・合   奏「ぶんぶんぶん」
・斉   唱「ともだちになるために」

5年生「ライオン・キング  ~自分らしく表現を楽しもう~」
・合   奏「サークル・オブ・ライフ」
・合   唱「ハクナ・マタタ」 
・ジェンベ&アフリカンダンス

4年生「ハイサイ!みなさん
     ~唄って踊って,あなたもわたしもちむどんどん~」

・カチャーシーパフォーマンス
・合   奏「ハイサイ!沖縄」
・トーンチャイム「椰子の実」
・合   唱「#みんなで歌おう    ~歌声と幸せがあふれますように~」                       

2年生「心ウキウキ    音楽のぼうけんにでかけよう!」
・合   奏「かえるじゃず」  
・斉   唱「にじ」
・斉   唱「たいようのサンバ」

6年生「光彩」
・合    唱「星の世界」
・合    唱「帰る場所」  
・合    奏「情熱大陸」

 子供が「音楽って楽しい!」「仲間と演奏できるって幸せ!」と感じながら,一人一人の音がみんなと重なり合って表現力がぐんと高まっていく姿が見られることが魅力です。感染症予防対策には十分配慮し,練習や発表の仕方を工夫しながらも「学年らしさ」を引き出し,できる限りの表現をこれからもつくっていきます。


 

 

わらべうたでなかよくなろう  2年生音楽科

2022.05.06

新学期が始まって一ヶ月が経ちました。2年生教科書の後半に登場する「わらべうた」ですが,学期始めに友達と仲良くなるにはもってこいの教材です。

1年生の時に「おちゃらか」「なべなべそこぬけ」「十五夜さんのもちつき」を楽しんだ子供たち。今日は「かくれんぼ」を学習します。「かくれんぼ」は,皆に共通の遊び(経験)かと思いきや・・・。

「かくれんぼはしたけど,歌は歌わなかったよ」

「鬼はにげたら10数えるの」

「えー,私のと違う!」

「それでね,鬼がもういいかいっていうんだよ」

「ああ,それは一緒だ」

各自が保育園や幼稚園で楽しんだルールを丁寧に教えてくれました。せっかくなので鬼役と逃げる役に分かれて,歌いました。教科書は「もういいかい」「まあだだよ」の掛け合いが3回で終わっています。ですが,歌ってみると掛け合いが止まりません。次第にくすくすと笑い声が起こります。

「もういいかい」「まあだだよ」(5回ぐらい掛け合う)

「もーういいかい」「もーういいよ」

どうして,そうしたのかを問うと,隠れるところを迷ったり遠くへ行ったりするからと子供なりの理由がありました。もちろん声も小さくなっていきます。想像しながら歌を楽しんでいる姿です。

その後,かくれんぼゲームをしました。公園の地図と自分の似顔絵とを使って,室内で楽しむかくれんぼです。何度も何度もかくれんぼの歌が聞こえました。

4年 音楽科「世界の歌でつながろう」-わたしのアメイジング・グレイス-

2022.01.18

 新年が始まって約半月が過ぎました。新型コロナウィルス感染症の影響は未だ終わりが見えず,気持ちが塞がりそうになることもあります。これから暖かい春に向けて,皆様の心が少しでも軽くなりますようにと祈るばかりです。

 初等教育研究会Winter提案授業は昨年12月に撮影を行いました。ちょうどクリスマス前ということもあり,テレビにはクリスマス・ソングや年末によく聴くクラッシックなどが溢れていました。子供が普段生活の中で耳にする音楽と,これまで学んできた「声の多様性」「歌の文化背景」とを結び付け,学びを深める授業ができたらと思い,授業実践を行いました。

 本時までの学習の様子をまとめましたので,ご覧ください。初等教育研究会Winterでは,本実践について忌憚のないご意見・ご感想をいただけたら幸いです。

初等教育研究会Winter提案授業のお知らせ

2021.12.24

間もなく2021年が終わります。

皆様にとっては,どんな1年だったでしょうか。

慌ただしい年の瀬に思うのは,何とかここまでこられた感謝と新たな年への希望です。

年が明けた2022年1月に,初等教育研究会Winterを開催します。

今回提案する授業は,第4学年「世界の歌でつながろう」~わたしのアメイジング・グレイス~です。

小学生に歌詞の意味が解釈できるの?

英語の発音は大丈夫?

この歌を学ぶ意味とは?

あまりにも有名な歌だけに,大人の不安や解釈があれこれ先走りそうです。

子供がこの歌に出合ったら,その歌詞から何を感じるのだろう。

子供と一緒に英語の発音を楽しみながら歌ってみたい!

子供はこれまでの学びを結び付けながら,この歌をどう表現するのだろう。

未知の世界に踏み出す感覚で,ワクワクが止まりません。

予測できない未来を生きる子供たち。

今,音楽科で子供に身に付けさせたい力とはどのようなものか語り合いませんか。

初等教育研究会Winterからのご参加も大歓迎です。

本時までの授業の様子は,1月にHPへアップしますのでぜひご覧ください。

皆様のご参加をお待ちしています。

来年も,皆様にとって素敵な1年になりますように!

協議会にご参会いただき,ありがとうございました

2021.11.07

 初等教育研究会Autumn協議会が終わりました。休日にもかかわらず,県内・県外から多くの皆様に参加していただいたことに感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 今回の授業は,郷土に伝わる民謡を教材に,自分が伝えたい思いをもとに歌詞をつくり,どう歌うかについて模索し,さらに多様な他者(ゲストティーチャー)に出会うことで歌や歌声の見方を更新していくことをねらった授業でした。

 「伝統音楽は宝箱」

まさに,その通りだと思います。わたしたち教師は,

「これが子供に身につけさせるべきもの」                 

「これが価値のあるもの」 

「○○の授業の流れは,こうあるべき」

という考えに縛られすぎているのかもしれません。確かに各題材で押さえるべき指導事項はありますし,確かな知識・技能を身に付けさせる時間も必要です。                                                     

 でも,まっさらな状態で子供が感じ取っている「音楽」は,教師の見方をはるかに超えるときがあります。教師がモデルAとモデルBを提示したら,自分たちの思いに合うCを仲間と共に生み出していることもあります。

 未来を生きる子供たちの深い学びを支えるために,音楽科では何ができるのかこれからも考えていきます。

 協議会当日の発表資料を,HPに載せてほしいというお声をいただきました。

また,初等教育研究会Winterで皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

人・歌・思いがつながる音楽授業を

2021.10.28

初等教育研究会Autumnが近づいてきました

2021.10.11

いつもHPをご覧いただきありがとうございます。

初等教育研究会Autumnの前に,前時までの様子を紹介します。

スライドの最後に,初等教育研究会Autumnの内容もほんの少し載せました。

授業実践について皆様よりご批正いただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。

第6学年「音楽でつながろう」北京普通大学実験小学校と附属新潟小学校との音楽交流

2021.05.23

 新学期が始まって一ヶ月が過ぎました。去年の今頃は,新型コロナウィルス感染症対策を踏まえつつ,音楽科の学びを止めないために何ができるのかを必死に考えていた時期でした。音楽室に眠っている楽器を引っ張り出したり,新たな歌唱の方法を探ったり…うまくいったこともあればうまくいかなかったこともありました。そして,あれから1年。事態が好転しているとは思えませんが,気付かされたことがありました。わたしたちには「音楽」が必要だということです。

 今年度は,普段の授業の様子もお伝えしながら,こまめにホームページを更新していきます。

 今回は,北京普通大学実験小学校と附属新潟小学校との交流音楽授業の様子をお伝えします。当校は,中国の様々な小学校と友好関係を結び,互いの小学校を行き来して交流を続けています。今年度は,現在の状況下から,リモートでの音楽交流授業を行いました。

 授業は,2回に分けて実施しました。1回目は,中国の子供が「まつり花」(数年前まで教科書にも掲載されていました)を教えました。「まつり花」は,中国の地方ごとに節回しが違います。日本の子供たちは三つの音源を聞きながら,「声が日本の民謡に似ている」「同じ曲なのに,イメージが全然違う」などと気付きました。さらに,2回目の授業では日本の子供が「茶つみ」を教えました。お茶は中国から伝わり日本独自の文化に発展したこと,緑茶・ウーロン茶・紅茶などお茶の種類は数あれど,もとは同じ葉からできていることを伝えました。ここには,国は違ってもわたしたちはつながっているというメッセージが込められています。

 さて,「茶つみ」といえば手合わせです。画面越しですが,一緒に同じ手合わせをして交流を深めるというねらいがあります。しかし,中国と日本との拍感が違うため,中国の友達にとっては難しいのではないかと考えました。子供たちと話合い,事前に手合わせのビデオを撮影し中国の友達に送ったらどうかという提案が出されました。当日は,日本の歌の楽しさを味わう中国の子供の姿が画面越しに伝わってきました。

今回の交流に終わらず,子供が音楽を通して文化や多様性を認め,未来に向けて友好的な関係を築くことができる機会をつくっていきたいと思います。

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