「解釈」と「修正」が学びを創る

2020.01.26

今年度の初等教育研究会まで,後10日ほどとなりました。

素直で自由で,自ら学びを生かす素晴らしい子どもたちが学ぶ姿を,たくさんの方にご覧いただけたら嬉しいです。

まだまだ申し込みを受け付けておりますので,ぜひお越しください。

私の研究しているテーマは「解釈」と「修正」の二つの活動によって,子ども自身が深く考える学び方を獲得していく授業です。

これからの社会は「与えられた問題について正しく答えを導く力」よりも,「まず行動してみて,得られた結果に応じて修正できる力」が価値があり必要であると言われています。

であるなら,私たちの教師の授業観も今一度考え直してみる必要があると思うのです。

私は,「例え結果は間違っていたとしても,そこまで考えた過程には価値がある」と子どもの学びを捉えることを大切にしています。

4年生の分数の授業でその具体を説明します。

私「みんなはリボン屋さんです」

私「さあお客さんです。リボンを渡しましょう」


まず,「1/3mだったらどこで切って渡す?」と尋ねます。

ほぼ全員が,ここを指します。中には,違うところを指したり判断できなかったりする子どももいます。

そこで,まずは,この矢印の部分だと答えた友達の考えを解釈させます。

私「どうしてここだと判断したか,この人たちの頭の中は予想できる?」

3等分した1つ分という分割のイメージを根拠にあげます。

みんなも納得してしまいます。

「しまいます」と書いたのは,この答えは間違いだからです。「2/3m」は量を表す表現なので,1mを基にした時の2/3にあたる長さです。しかし,子どもたちは提示された2mを基にした時の2/3にあたる長さを答えています。

しかも,数名を除いてほぼ全員が納得してしまっています。

多くの場合,このような考えが分かれた場面で「どっちが正解かな」「どのように考えたらよいかな」と解決に向けた議論をさせてしまいます。しかし,それでは,二項対立の構図になり,一方が間違い,もう一方が正解の議論になってしまいます。

私は,間違いの解釈を進め,必要に応じて修正を繰り返していく,その先に正解があるという協働的な学びを進めたいと考えます。

ですから,例え間違いだとしても,この根拠を認めて受け止め,さらに他の場面に適用させることで,誤った考えの解釈を進めることを考えました。

ちゃんと理由が言えるところから,考えの解釈が進んでいることが分かります。

もう子どもは止まりません。教師の先を歩きたがります。

ここまできて,子どもたちはやっと,この考えで進めた時に生じる問題に気づき始めます。

この気づき始めた状態,何か言いたい状態になってから,私は次のように問います。

すると,今まで気づかなかった子ども,問題を見つけ次のように説明します。

この問題を全員で確認して,やっと修正活動に入ります。

この場面の3等分した1つ分と導入場面の3等分した1つ分は,言葉は一緒だけど何が違うのかを問います。

子どもは,基にする量が1mと2mで異なることを確認しました。

こうして,「何を基にするか」,「つまり何を1とみるか」というこの学習の大切な考え方を明らかにできたのです。

このまま修正を続けると次のようになります。

ここで,全部修正できたことを認めると,子どもは,「2/3mだった場所がまだ修正できていない」というのです。これには参りました。


こうして,1を超える分数の表現に,自然な流れでつなげていくことできました。

例えばこのような授業が,友達の考えを解釈し,状況に合わせて修正していく力を育てる授業の一つの形です。

2月の研究会でも,生き生きと学ぶ子どもたちをご覧いただけると思います。

お会いできるのを楽しみにしています。

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