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2022.12.26
グアテマラという国をご存じでしょうか?メキシコの南にある,日本の3分の1ほどの大きさの国です。縁があって今年度は,年間を通してグアテマラの6年生3人,アンヘラさん・マニュエル君・ガスパル君と交流を続けています。公用語はスペイン語のため,日本と同様に英語を普段から使う機会は少ないそうです。3人は英語学習を始めて数か月であり,日本の6年生とほぼ同程度の英語力でした。
最初に行った交流会では,互いの文化について紹介をしました。「日本と言えばけん玉」「富士山を見せたい」「簡単な日本語を教えて,スペイン語も教えてもらいたい」「普段どんなものを食べているのか気になる」「どんな生活をしているのかな」交流会当日には緊張しながらも次のような会話をしました。
日本の子供(以下日) Guracias is Arigato in Japanese, repeat after me.
グアテマラの子供(以下グ) Arigato.
日 おぉ~~~!すごいー,やったー,通じたー。Thank you. Guracias.
グ Guracias. Arigato.
日 This is a けん玉. This is Japanese toy. Please watch me. (いくつか技を見せる) It’s very fun.
グ Oh, great. It’s cool.
日 Thank you. Guracias.
交流後には,「初めて外国人と話して緊張したけど,とっても楽しかった」「グアテマラを身近に感じた」「相手が反応してくれてすごく嬉しかった」「ガスパルが僕と同じでサッカーとドラゴンボールが好きと言っていて,びっくりした」等,思いが通じたことに対する感想を生き生きと語り合っていました。
心が通じ合ってきたと感じた子どもたちから,「現実的には厳しいけど,グアテマラに行きたいし,日本にも来てもらいたい」と意見が多数挙がりました。そこで,カナダでのフラットスタンリープロジェクトという実践を参考に,似顔絵とその裏にメッセージを書いてグアテマラに送る活動を提案しました。子どもは,自分自身を表した紙人形を『リトルドール』と名付け,グアテマラに送り出しました。完成したリトルドールは次のようなものです。
7月にグアテマラに届けました。ガスパル,マニュエル,アンヘラの家,近くのお気に入りの場所でたくさん一緒に写真を撮影してもらいました。その写真がこちらです。
子供たちは「本当に届いているー!」「アンヘラ喜んでる。」「ガスパルが連れて行ってくれてる山すごい,日本と景色全然違う」「マニュエルのところに届いているの僕だ!」等,大興奮でした。
9月には,3人のリトルドールも作成してもらい新潟の子供34人と合わせて37人で無事に帰国しました。
「土日に公園でガスパルと写真を撮りたいのでもって帰っていいですか?」「アンヘラはお花が好きだから,おうちの庭で撮影したい」「マニュエルを神社に連れていきたい」と,今は子供たちが交代で新潟の様々な場所を案内しています。
『自分のお気に入りの場所を見せたい,相手の興味がありそうな場所に連れて行きたい』 思いが溢れた交流になっています。
最近,子供たちからこのような会話が聞こえてきます。
「先生,俺たちにとってガスパルたちはただのグアテマラ人じゃないんですよ。もう普通の友達。 ただ住んでいる場所が違うだけ」「そうそう,なんか『遠距離友情』って感じ」「『遠距離恋愛』みたいな?ウケる。でもそういうこと。離れていても友達」
距離は遠くても友情を育んでいる子供たち。初等教育研究会Winterでは,互いの大切なものを紹介します。「自分の大事なペットについて伝えたい」「サッカーボールが宝物な理由を聞いてほしい。ガスパルならきっと分かってくれると思う」「私とまた話したいと思ってほしい」「3人の大切なものについても聞いてみたい」「マニュエルの宝物はきっとギターだと思うな,前に曲を弾いてくれたから」
『自分の思いを伝えたい,相手のことがもっと知りたい』
子供たちが本気で語ろうとする姿をぜひご覧ください。