初等教育研究会Winterの前に

2022.12.27

初等教育研究会Autumnで行った「大地の神秘を探れ!-流れる水の働き-の授業の概要をお伝えします。

この単元では,新潟県の下越から新潟市に流れる阿賀野川を題材とし,上流・中流・下流の映像やマップを用いて,流れと土地の違いを調べてきました。単元計画,指導案はこちらです。

流水の実験を行うと,目で見える実験結果ばかりに目が向いて,子供が分かった気になっていることがありました。侵食運搬堆積の働きは,流れの速さや量によって変わることを捉えなければいけません。

そこで,結果が分かってから,さらにその要因を追究する授業を設計しました

これまで,流水実験をすると,侵食や運搬には目が向きますが,それがどうして起こるのかというところまで目が向かないことが多かったです。

それは,一つの実験で侵食や運搬のはたらきと,流れの速さを同時に見させようとしていたからです。

そこで,つぎのような授業展開を設定しました。

①過去の川の画像から曲がった部分がどうなるのかを課題をもつ

②どうなるのかを調べる

③実際の川から,その要因を見出す

④流水モデルでもその要因が調べられるのかを実験する

⑤曲がっていた川をまっすぐに河川工事した理由を考える(結論)

子供は,まずは川の内側,外側でどうなるかを予想しました。外側が削れるという考えもありましたし,運動会を想起して内側が速いから内側が侵食するという意見もありました。

まずは,「どうなるか」を調べました。これが第1段階の実験です。

外側が浸食されることを捉えた子供に,実際の曲がったところの川の映像を提示しました。どうして外側が浸食されたのかを考えさせるためです。

「曲がった部分の川の流れの速さはどうなっているか」と追究する課題を焦点化するのです。

子供は,流れに着目して外側と内側の流れの違いを発言しました。

そこで,流水モデルでも同じように流れの速さが違うのかを調べる実験を行いました。子供たちは,これまでの学習から発泡スチロールビーズを流して速さを確かめようとしていました。

子供の最後の結論の記述を読むと,流れの速さと侵食・運搬・堆積の働きを関係付けて捉えていることが分かります。さらに,曲がったままであれば,と考えることによって,土地が変わってしまうことにまで考えを及ばせている姿も見られました。

初等教育研究会Winterのお知らせ

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