協議会でお伝えできなかったココだけの話

2021.02.08

 学級活動の授業動画を視聴していただいた皆様,また,授業協議会へ参加していただいた皆様,貴重なお時間をいただきありがとうございました。

 そして,指導者の新潟大学教職大学院 教授 相庭和彦様,司会者の新潟市教育委員会 学校支援課 総括指導主事 三條貴之様,協力者の新潟市立金津小学校 教諭 江部壮彦様,協議会でのご指導や活発なご意見,ありがとうございました。協議会の内容につきましては,概要を研究紀要でご紹介します(是非,ご購入ください!)。こちらでは,協議会で私がお伝えできなかったことについてご紹介します。

 今回の提案は,ズバリ「45分で合意形成に至る授業」です。授業動画をご覧になった方からのアンケートでは,授業冒頭で教師が子供と話合いの方向を定めていく様子に驚いたという感想を多くいただきました。「話合いを分析的に見ていくには必要だ」「もっと子供に任せてもよいのではないか」などのご意見をいただきました。年間35時間しかない学級活動で,合意形成を図る力を高めていくために,教師が積極的に指導・支援していきたいというのが,私の基本的なスタンスです。休み時間等での計画委員会への指導や表に出てこない教師の指導も必要です。しかし,学級活動がこれから生き残っていく(少し大げさですが)ためには,「学級活動でしか育成できない資質・能力はこれだ」「そのために必要な授業づくりのポイントはこれだ」という授業レベルでの主張が重要です。

 私の主張については,授業動画,指導案,協議会,全体発表,ホームページ等で繰り返しお伝えしてきましたので,こちらでは割愛させていただきます。協議会でお伝えできなかったココだけの話は,授業後の子供の姿です。長い前振りになりました(笑)。

 下掲の振り返りは「ペアグループ交流」への強い思いをもっていた子供の振り返りです。自分と異なる意見に共感して話し合うことができたことや,話し合うことの意味を理解しています。

 次は,話合い後の実践①「誕生日チェーン(1年生と6年生とで喋らずに誕生日順に車座になる)」を行った振り返りです。話合いで自分と異なる立場に立って考え,そのよさを理解して実践したからこそ生まれる気付きです。「話合い→実践→話し合ったことを生かして課題を解決したことの自覚→話し合うことの意味を理解→話合い」というスパイラルで合意形成する力が高まっていくと考えています。

 さらに,実践①で「1年生に進んで関われなかった」という振り返りを受け,実践②では「こおりおに(違う学年からのみ助けてもらえる)」を行いました。実践の前後に短い時間でも全体での確認や振り返りを行うことで,話し合ったことを生かして実践したり,それができたことへの自覚が促されたりしていきます。

 終わりに,少し大きな話を。私は,今年度研究会の全体発表で,「子供たちには,全員が納得する究極の方法を探し出すことではなく,他者の思いに共感し,少しでも歩み寄って結論を出してほしいと願っています。学級会でのそのような姿が,多様性が共存する社会の形成者としての第一歩なのです」と述べました。そのために大切なことは,教師が手立てを試行錯誤することではなく,子供が自分たちで生活の諸問題を見付け,話し合って解決方法を探り,解決できたということを自覚することです。いくら教師が手立てを精選したり崇高な指導観を抱いても,子供自身が問題意識をもったり解決できたことを自覚したりできていなければ,絵に描いた餅で終わってしまします。

 最後にご紹介するのは,今年度最も印象に残ったことをテーマに,6年2組のある子供が書いた作文です。私が目指す子供の姿の片鱗がうかがえます。学活らしく,子供の姿で結ばせていただきます。

 今年度いただいたご指導・ご意見を,来年度研究に生かしていきたいと思います。これからも,皆さんで特活を盛り上げていきましょう!

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