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2025.09.30

今年度も、昨年度に引き続き、「問いづくりとその追究」を核とした「子供に委ねる国語授業づくり」を実践しています。今回は、6年「海の命」の実践を紹介します。

「子供に委ねる授業をしたい!」とは思いつつも、実際は「子供が自ら追究することで、読みを深めることができるのか?」という心配があるのではないかと思います。そこで、教師が何をするべきなのかを考えていくことが重要です。

問いづくりとその追究を核とした単元を構想しました。問いの追究に関しては、子供と相談し、「個別(それぞれの問い)の追究」→「全体(みんなで考えたい問い)の追究」という流れで学習を行うことを決めました。
そして、物語を読んで感じた疑問を基に、解決したい問いを設定しました。子供は、ピラミッドチャートや座標軸などの思考ツールを使って、以下のように自分がつくった問いを整理・分類していました。





いよいよ子供が問いを設定し、問いを追究していく段階になります。子供に大きく学びを委ねる場面です。さて、この場面では、教師は何をすべきでしょう?教師には何ができるのでしょう?

私は、「子供に直接働き掛ける支援」と「子供に間接的に働き掛ける学習環境デザイン」の2つの支援が重要ではないかと考えます。

これは、昨年度の初等教育研究会で、新潟市総合教育センターの桑原先生が私の授業を分析してくださったものです。このように、直接的に働き掛ける支援を行っていました。

昨年度の段階では、子供の追究に寄り添いながら支援を行ってきました。しかし、必ずしも読みの深まりにまでは到達しないような追究の様相も見られました。そこで、学習を子供に委ねるなら、内容面に関してももっと積極的に支援を行ってもよいのではないかと考えるようになりました。

私の本単元における基本的な構えとしては、「私も、みんなと同じ一読者として学習に参加させてほしい」ということです。そうすることで、物語を読み、解釈した時の驚きや感動を子供と共に共有していきたいと思うからです。

私の国語授業では、他者とつながりながら学ぶための環境づくりとして、「全文プリント」や「拡大教材文」、「ホワイトボード」をいつも準備しています。また、ICTの共同編集機能なども、子供の求めに応じて準備をします。情報を可視化することにより、子供はつながりながら学びを進めていくことができます。

今回、全員が追究している問いを一覧にして可視化する「問いボード」を作成しました。他者の問いと追究状況を可視化し、協働しながら追究することをねらいとしました。子供は、追究の過程において、この問いボードを確認しながら次の問いを見付けたり、追究相手を探したりしていました。また、問いと問いとのつながりを見いだしたり、新たな問いを見付けて共有したりする場としても機能していました。

2時間目に確認した「登場人物の人物像」をまとめ、掲示しておきました。こちらは、子供が読み取ったことをどんどん追記していくイメージで作成をしましたが、なかなかうまく活用されませんでした。改善の余地がありそうです。

子供は、それぞれ問いの追究に向かいます。教師は、追究の相手や方法を子供に委ねます。同じ問いをもつ子供と一緒に追究を始める子がいれば、一人で黙々と追究に取り組む子もいます。教師は、それぞれの様子を見取り、必要な支援を行っていきます。

ある子供は、「どうして瀬の主を殺さなかったのか?」という問いを追究していましたが、途中から「どうして瀬の主をおとうだと思ったのか?」という問いに変更して追究を進めていました。その子供に理由を問うと、「メインの問い(どうして殺さなかったのか)を考えていたけど、もう一つの問い(どうしておとうだと思ったのか)を考えないとその答えが分からないと思ったから」と答えました。この子供は、「問いと問いとのつながり」を見いだしていたのです。この子供の姿を全体に紹介し、その考え方のよさを共有しました。
以下は、実際の子供の追究の様子です。



それそれが問いを追究する時間を2時間設定しました。そして、その後に複数の子供が追究していた問いを取り上げ、全体で考える時間を設定しました。
ここでは、別々の問いを追究していた子供同士をグループ編成し、様々な考えを交わしながら課題解決できるように働き掛けました。
それぞれが導き出した考えを基に、問いのつながりを考えながら意見を出し合いました。

以下は、単元全体を通した学びの振り返りです。




子供は、様々な問いの追究を通して、登場人物の心情の変化を捉えたり、それぞれの人物像をより深く読み取ったり、登場人物の相互関係を読み深めたりする姿が見られました。また、登場人物の生き方と物語の全体像を関連させて読むような姿も見られました。
そして、問いづくりとその追究という学習過程が、子供にとって価値を自覚できる学習だということも分かりました。
子供に追究を委ねることにより、こちらが想定していなかったような素敵な読みが子供から生まれます。正直、個々の追究に対する私の支援は十分なものではなかったと反省しています。それぞれの追究をどのように見取り、どのように支援していけばよいかはこれからも考え続けていきたいと思います。
教師も、一読者として「子供と共に物語を読み味わい楽しむ気持ち」を忘れずに、今後も子供に委ねる国語授業を追究していきます。