生命との関わりを問い直す授業〜水族館の役割〜

2025.09.13

 第4学年D(18)生命の尊さにおいて、水族館見学や飼育活動を通して生命を尊重する態度を育て、生命との関わりを問い直す授業を実践しました。本実践では、総合的な学習の時間と関連させながら、以下のように目指す子供を設定しました。

 指導の実際をご説明します。

 まず総合のテーマ設定にあたり、子供がやってみたいことを募りました。その後、人気が高く、どのテーマにも関わりそうな水族館を見学に連れて行きました。

 水族館見学の後、子供はそれぞれの関心に基づいて追究を進めました。その過程で、互いに成果を共有する場を設定しました。子供は、他者の追究を自分の追究に取り入れたり、新たな関心を広げたりしながら学びを深めていきました。

 402ミニ水族館が子供たちの手によってつくられると、そこには学級の子供が作成した図鑑や生き物の飼い方をまとめた資料が置かれていくようになりました。また、校地内の池に生息するメダカやヤゴなど、生き物の飼育も始まり、 ミニ水族館に置かれるようになりました。このようにして、生き物を中心とした学習環境が、子供たちの手によって形づくられていきました。

 追究を進めていく中で、子供たちから「水族館の人の思いを知りたい。」「生き物を飼育するコツを知りたい。」といった声があがるようになりました。そこで、再度水族館見学を行いました。

見学から帰ってきた子供は、感想を共有しました。その中で、上記のようにやっぱり「生き物は自然界で生きた方が幸せなのではないか」という考えを主張する子供がいました。すると、他の子供たちも「賛成」か「反対」の立場で自分の考えを述べ始めました。

 このような姿を見取り、以下のように道徳科でじっくりと話し合う場を設定しました。

 そして、水族館の生き物は幸せだと思うかについて、四件法で問いました。子供は四人班で互いの考えを共有していきました。

 水族館の生き物が幸せだと考える子供は、人と生き物との関わり方を重視し、水族館が適切な関わり方をしていると主張しました。一方、幸せではないと考える子供は、生き物本来の暮らしを大切にすべきだと主張しました。

 このように話合いを進めていくと、話合いが停滞したり、堂々巡りになったりする様相が見られました。そこで、教師は生きる幸せについて考えている子供を全体で取り上げました。

 Bさんの考えを共有すると、「水族館は安全」というキーワードに着目した子供が、自然界にはゴミが多いことを指摘したり、水族館で働く人の思いへと考えを広げたりしながら、生き物にとっての幸せを改めて考え始めました。

 そうした中で、自分たちの生活やメダカの飼育へと広げながら生き物にとっての幸せについて見つめ直していきました。

 考えるヒントを得るために、子供はスタディ・ログを参照したり、未習の道徳教科書教材に触れたりしながら学んでいきました。そうした中で、生命について様々な教科や道徳科の他の内容項目と関連付けながら理解を深めていきました。

  道徳科の授業において、自分たちが飼育しているメダカについて今後どのように関わるべきかを考える子供の姿が複数見られました。そこで教師は、そのような子供を取り上げ、今後、メダカの飼育を続けるかを全体に問いました。

  子供は「自然に返すべき」「返さない」といった立場から、メダカとの関わりについて話し合いました。その中で、生き物への愛着や飼育の責任を主張する子供もおり、学級全体として飼育環境を見直しながら飼育を続けることになりました。

 11月の初等教育研究会においても、子供の問いを出発点とし、生命の尊さについて考えを深める子供の姿を提案いたします。授業につきまして、ぜひ多くのご意見・ご助言をいただければ幸いです。

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