総合学習を手掛かりに②

2019.09.09

以前,総合学習の単元計画作成のポイントとして,資質・能力レベルでの教科等横断について紹介しました。夏休み中に見直した単元計画を再度アップするにあたり,今回は別の視点から単元計画作成のポイントについて説明します。今回のポイントは・・・

単元終末の具体的な子どもの姿を想定すると共に,そこに至るまでの子どもの姿を小単元レベルで段階的に想定し計画に位置付ける

です。まずは,下の単元計画をご覧ください。

赤の二重線で囲まれた部分が,本単元で育成する資質・能力に基づいた,ゴールの具体的な子どもの姿です。そして,ここに至るまでの子どもの姿を小単元レベルで段階的に想定していきます。それが,黄色の線で囲まれた部分です(こちらも当然,小単元で育成する資質・能力に基づいています)。

総合学習の単元は,大単元ともなれば70時間というどの教科等の単元よりも長いものです。当然,子どもが,教師が描いた道筋を辿らない場合も出てきます。
そうすると教師は,自分が描いた道筋に子どもを引き戻そうと不自然な手立てを打ちます。子どもが意欲を減退させていく一因です。もしくは,教師が進むべき方向を見失ってしまいます。這い回る総合の始まりです。

山にいくつもの登山道があったりルートが存在したりしているように,本来,総合学習の単元において,教師が描く道筋が唯一絶対ではないはずです。大切なことは,子どもが,確実にゴールとする姿に近付いているかどうかということです。

前述したような困った状況に陥らないために,単元終末の子どもの姿から逆算して,段階的に子どもの姿を想定し小単元毎に位置付けるのです。段階的に想定した子どもの姿さえ見失わなければ,想定していた道筋と異なっても,多少遠回りをしても,そこを通過できるように計画を修正していけばよいのです。

しかし,そうは言っても,道筋において絶対に外せない学習活動はあります。例えば,小単元内で,子どもが概念を形成する学習場面などです。そのあたりについては,次の回で紹介させていただきます。

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