総合学習を手掛かりに

2019.08.06

 新学習指導要領の全面実施が,来年度に迫っています。今,各学校では来年度からの新学習指導要領の全面実施に向けて,教育課程の編成が進められています。総則では教育課程の編成にあたり「各学校においては,国として統一性を保つために必要な限度で定められた基準に従いながら,創意工夫を加えて,児童や学校,地域の実態に即した教育課程を責任をもって編成,実施することが必要である」と述べています。各学校には,学習指導要領に示されている内容を確実に指導すると共に,学校独自の特色ある教育課程が求められているのです。

 この学校独自の特色ある教育課程を考える際に大きな役割を果たすのが,総合的な学習の時間(以下,総合学習)です。その理由は,総合学習の特質からきています。各学校において定める総合学習の目標は,各学校における教育目標と直接的につながっています。また,総合学習は,各教科等で身に付けた資質・能力を活用・発揮して取り組む学習です。さらに,学習内容に地域の特色を反映させたり,協働的他者として地域人材を活用したりします。このようなことから,総合学習を丁寧に考えていくことが,学校独自の特色ある教育課程を考えることに大きな役割を果たすと考えるのです。

 今回は,今年度,私が実践する総合学習の単元計画をアップしました。この単元計画を作成するにあたり留意したことが,各教科等の資質・能力,具体的には思考力・判断力・表現力レベルでの横断関係です。各教科等で育成された思考力・判断力・表現力を,総合学習の文脈で発揮させ,より一層強化を図っていくことを念頭に置き作成しました。そのため,単元配列の見直しも行いました。総合学習の単元計画を作成すると共に,当該学年の年間指導計画も見直しているのです。これは,学校独自の特色ある教育課程を編成する一つの具体的な視点になると思っています。

 ぜひ,総合学習を教育課程編成の手掛かりとしてみてはいかがでしょうか。

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