国語 × ICT 授業におけるICT活用のススメ

2020.08.06

オンライン授業の需要が高まったこともあり,現在教育のICT化が急速に進んでいます。

附属新潟小学校では,数年前から1人1台のタブレット端末を活用した授業実践に取り組んでいます。

今回は,私の専門教科である国語科において,ICTを取り入れた授業実践をご紹介します。

「夏の楽しみ」という4年生の単元です。

ここでは,夏を表す言葉の語彙を増すこと,言葉の響きやリズムに親しむことをねらいます。

ICTを活用しない授業では・・・

①〜④のように学習を進めることが一般的であると考えます。

授業を構想し子供の姿を想定する中で・・・

上掲のような子供の姿が生まれるのではと感じ,これらを改善したいと考えました。

そこで!子供たち一人一人のタブレット端末にダウンロードされている,学習支援アプリ「ロイロノート・スクール」を活用して授業を行うこととしました。

ロイロノート・スクールでは・・・

上掲のような機能を子供に活用させることができます。

ここでは,子供から「夏を感じる言葉」を入力したものを集め,集まった言葉を合わせて子供たち一人一人に配信しました。さらに,あらかじめ教師側の端末で作成しておいた俳句づくりの枠を配信しました。

子供たちから集めた「夏を感じる言葉」
教師側の端末で作成した俳句づくりの枠

そして,ロイロノート を活用した俳句の作り方を動画で説明しました。この動画は,教師側の端末で操作している画面を,「画面録画機能」で撮影したものです。

さらに,いくつか俳句を作成した子供たちに,次の動画を見せました。

「言葉の順序を入れ替える」という推敲を促す動画です。動画をみた子供たちは,

「順番が変わると全然違う」

と述べ,作成した俳句の推敲に取り掛かりました。

消しゴムや鉛筆を使う必要がなく,簡単な操作で言葉の入れ替えができるのは,このロイロノート ・スクールのよさと言えます。

作った俳句は,ロイロノート・スクールの機能で,「提出」します。

提出されたデータは,以下のように一覧で,子供それぞれの端末で見ることができます。

つまり,全ての友達の俳句を好きなだけ見ることが可能です。

授業の終末で,子供たちは次のように振り返りを記述しました。

今回ご紹介した実践のように,ICTを活用することによって,子供たちの学び方を改善することができます。

授業にICTを活用することで,最も大切なことは,

ICTを使うことが目的化しないこと

だと考えています。

ICTを使っても使わなくても,子供たちの学びに大きな影響がないのであれば,従来通りICTを使わない授業を行うべきだと考えます。

使う必要がないからです。(もちろん「トレーニング」として,ICTを使うことを目的化した時間も必要と考えます)

まず,従来通り,ICTを使わない授業をきちんと構想する,

そして,よりよい授業に改善するために,ICTの特性を生かすことができるのか,検討する。

このようなステップを踏んで,

ICTを「使っているだけ」

ではなく,

ICTの「教科の本質に迫る活用」

を目指していきたいと考えます。

ご感想はこちら→(nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp)

国語の授業,ICTの活用について,語りませんか?

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