子どもと一緒にゴールを描こう

2019.08.13

 附属新潟の総合学習は,70時間の大単元をつくって活動します。大単元をつくることには子どもの目的意識を継続させる難しさがありますが,そこは教師と子どもが単元のゴールを一緒に描くことで乗り越えていきます。まちづくりをテーマとする本単元では,自分たちが描いた10年後のまちの姿と,それを実現させる方法を多くの人に伝えたいと子どもは考えました。「大きなホールで発表したい」「動画にまとめて発表したい」という子どもの願いを聞きながら,教師は「会場は,大学のホールでどうだろうか」「ケーブルテレビで番組をつくろう」と提案していきます。これがゴールを描くときの教師の役割です。

 

 ゴールが少し具体的になってくると,子どもはプロセスにも目を向けるようになります。誰に伝えるか(ターゲットの焦点化),誰に会うか(協力者の選定),何を考えるか(情報の整理・分析),というような意見も子どもの側から出てきます。本単元においては,「私たちは楽しいまちを目指しているけど,考えていることはみんな違うよね」という子どもの発言が秀逸でした。この発言が,子どもにとって合目的的な活動に転換するきっかけになりました。これは,教師と子どもが一緒になってゴールを描こうとしたからこそ表出されたものだと思います。  

 

 ゴールを描いた子どもが,10年後のまちについて,何を,どのように考えたのか。次回の更新でお伝えします。

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