4年物語文「ごんぎつね」単元計画&全時間板書

2022.12.26

4学年国語における不朽の名作「ごんぎつね」。優れた先行実践や発問がたくさん研究されていますが,私なりに実践した「ごんぎつね」を紹介させていただきます。今回は,「子供と共に創り上げる単元」をテーマに実践を行いました。

まず,単元のゴールとなる言語活動を子供たちに決めさせることを試みました。以下の4つの活動案を子供たちに提示し,どれがよいかを尋ねました。

この4つ,どれを選んでも「登場人物の相互関係や心情などについて,描写を基に捉える」という学習のねらいに沿うものを選んで提示してあります。子供たちからは,「感想文にまとめる」と「心情曲線にまとめる」という2つをやってみたいという声が多く挙がりました。そこで,「心情曲線を用いて登場人物の各場面の心情を読み取り,単元の最後に感想文にまとめる」という活動をしていくことに決めました。

まず,初発の感想の交流です。ここで感じた問いを基に,みんなで話し合って解決したい課題を決めます。Xチャートを用い,「ごんについての問い」「兵十についての問い」「心に残ったこと・感想」「気になる表現・言葉」という4つの読みの観点を示し,初発の感想を書かせました。

その後,初発の感想を交流し,「みんなで考えたい問い」を決めました。

そして,全員で決めた「みんなで考えたい問い」と「学習のゴール」を基に単元計画(単元ナビ)を作成し,子供たちに提示しました。子供たちは,「とっておきの感想」=「いい感想・これしかない・自分だけの・真似できない感想」というふうに捉え,それを完成させることを目的に学習に臨みました。

その後,この単元計画を基にしながら学習を進めていきました。

場面ごとに心情曲線を用いた学習場面では,上段にごん・下段に兵十の気持ちを心情曲線で示し,その変化に関する叙述を抜き出させるという学習活動を行いました。この活動は家庭学習で行い,個々が考えたことを全体で共有しながら問いを解決していきました。

10時間目の課題のみ,私の方から提示したものです。物語の続きを予想させることから,前ばなしの設定に気付かせたかったので意図的に課題設定しました。

子供たちは,これまでに読み取ったことを基にしながら「とっておきの感想文」を書きました。ほとんどの子供が,ノート2ページ分もの感想を書くことができました。しかし,これまでに読み取ったことを十分に表現しきれない様子も見られたので,読み取り→考えの形成に至る学習過程については,改善の余地があると考えています。

子供たちは,自分たちで学習のゴールを決めたり,話し合いたい問いを設定したりすることで,いつも以上に意欲をもって学習に取り組むことができました。

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