個人研究

体育科: 小野 浩由

体育科: 小野 浩由

当校3年目,今年度は2年2組を担任させていただきます。
研究教科は体育です。
ゲームを研究領域として単元として体育科の資質・能力を発揮できる授業を目指します。
今年度は,子どもが「ゲーム様相の変化から複数の動きの視点を見付けて,様々な動きを表現する子ども」を目指す子どもに設定し,研究します。

目指す子どもを実現するために,次の働き掛けを行います。

目線映像を提示して,自分だったらどう動くかを問います。

②ゲームで考えた動きを試した後に,アクションプログラミングボードでその動きをプログラミングし,可視化する場を設定します。

③アクションプログラミングボードを更新していく場面を設定します。

このように働き掛けることで,子どもは,ゲーム様相に合わせて様々な動きを表現していくのです。

【メールをお待ちしています】ono@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

 

2年 ボンバーゲーム

2019.09.28

 2学期は「ボンバーゲーム」を行いました。ボンバーゲームはゲーム領域の「ネット型につながるゲーム」です。新学習指導要領では低学年のゲーム領域に「ゴール型につながるゲーム」「ネット型につながるゲーム」「ベースボール型につながるゲーム」を行うことと記載されています。特に「ネット型につながるゲーム」は今回の改訂によって新しく追加された内容です。

 「ボンバーゲーム」は熊本大学教育学部附属小学校の体育科の先生方が開発したゲームで,そのねらいを次のように述べています。“ボール投げゲームの主たるねらいである投動作を身に付けながら、「ボールの落下点に移動する」「オープンスペースを見つけて攻撃する」「自陣の空いた空間をカバーする」といったボールをもたない動きや戦術的な状況判断までも学ぶことができる教材として「ボンバーゲーム」を開発しました。”

 私は,年間を通して「複数の「動きの視点」を基にして,状況に応じた多様な動きを表現する子ども」を目指しています(経緯については前回の実践「キャッチフロアボール~ゴール型につながるゲーム~」を参照)。今回はこの「ボンバーゲーム」を教材として,目指す子どもの姿を具現しようと考えました。

目指す子どもの具現を図るために,次の二点の改善を行う。一点目は,複数の「動きの視点」を捉えさせるために,得点が取れなかったときの目線映像を提示します。すると子どもは批判的に考察し,ゲーム局面の様相と課題解決の方法とを関連付けて,「相手が左に寄っているから,右側が空いている。そこにアタックを打てば得点できそうだ」などと相手の動きや空いている場所を視点にして自分の動きのイメージをもちます。二点目は,動きをプログラムする場を設定します。子どもが多様な動きを表現するためには,動きのイメージと具体的な動きとをつなぐ必要があります。そこでカテゴリー化した「動きの視点」を基に「どのように動くのか」動きをカードに可視化して順番に並べ,どの順序で動きを表現するとよいかを検討させるのです。考えた動きには多分にエラーが伴うと考えられます。なぜなら,ゲーム局面の状況は変化しているからです。ここでねらうのは,並べたカードの通りに動くことではなく,カードを並べることで複数の視点を意識してゲームに臨む姿です。子どもはトライ&エラーを繰り返しながら,多様な動きを表現していくようになるのです。

得点が取れなかったときの目線映像を提示すると,子どもは写真のように発言し,アタックを決めて得点するための動きの視点として「あいだ,空いている場所」「相手の動き」「ボンバー(ボールの動き)」を基にして動きを考えるとよいとまとめました。これらの視点を「チャンスアイズ」と名付けました。

 チャンスアイズが分かったところで,ゲームをしてみました。ところが,うまくアタックを決めて得点できた子もいれば,チャンスアイズが分かっても,具体的にどう動けば分からない子もいました。

 そこで,うまくアタックを決めて得点できた子の映像を提示し,アクションプログラムボードを与えて,動きをプログラムする場を設定しました。

「アクションプログラムボード」とはチャンスアイズを基にした動きをカードに書き,順番に並べて得点するまでの一連の動きを可視化するアンプラグドのボードです。子どもは,得点した場面の目線映像を見ながら,カードを並べていきます。アクションプログラムボードには,チャンスアイズを基にした「よい動きの基本」となって表出されました。チャンスアイズを基にした動きが可視化され,動きのイメージをもてた子どもは,ゲームでやってみたいと言いました。

 具体的にどこに注目して,どのように動けばよいのかが分かり,ゲームで自分の動きができたと実感した子どもは,自分でもチャンスアイズを基にした動きを考えたいと言いました。そこで,アクションプログラムボードを使って,動きをプログラムする場を設定しました。そこでは一人で考えるのではなく,ペアで考えたり,チームで協働して考える姿も見られました。

指定研究授業「キャッチフロアボール」

2019.08.02

2年生ゲーム領域のボールゲームで「ネット型につながるゲーム」を考案し,実践しました

 本単元のキャッチフロアボールは,ネット型の攻守一体型に分類され,学習指導要領の第1学年及び第2学年の内容「E ゲーム ア ボールゲーム」を受けて考案したゲームです。このゲームを考案した価値については次の3点であると考えます。
一点目は,ルールが分かり易い攻守一体型である点です。守備の動きは,相手が転がしてきたボールをキャッチして止める,攻撃の動きは,ボールを転がして相手コートの向こう側(ゴールエリア)にいる仲間にパスを通せば得点という単純な動きで構成されています。そのため,低学年の子どもでも容易にルールを理解し,夢中になってゲームに取り組むことができるのです。
 二点目は,低学年段階でもネット型の攻撃に関する戦術的課題とその解決策を学習することができる点です。例えばバレーボールのようなネット型を代表する運動は,「攻撃側は相手のいないスペースをねらってボールを送り込み,守備側はそのボールが床に落ちないようにレシーブを試みようとする」という運動特性があります。このような駆け引きがネット型の面白さですが,キャッチフロアボールは相手コートから転がってくるボールを一度捕球し,相手や仲間の位置を確認してからスペースに向かってアタックするため,特性が捉えられることを担保しながら,低学年でも戦術的課題とその解決策を考えやすい運動となっています。
 三点目は,新しい指導内容として「ネット型ゲーム」に取り組むことに価値があるからです。「ネット型ゲーム」は,現行の学習指導要領にはトスやアタック等の技能的な課題の解決が容易ではなかったために低学年のゲーム領域に明示されていませんでした。しかし,今回の改訂では「攻めと守りが分かれたコートで,相手コートにボールを投げ入れる簡単な規則で行われる易しいゲーム(ネット型ゲームに発展)(中略)などをすること」とはっきりと示されました。つまり,中学年以降のボールゲームの系統的な学習指導を考慮したとき,低学年から取り組むことに価値が見いだされたのです。
 以上の三点から本単元のキャッチフロアボールで低学年に必要な投げる(転がす)・捕るの基礎技能の獲得と得点をするための戦術的課題を解決した姿を目指す子どもの姿として授業を構成し,実践しました。詳細は研究計画,指導案をご覧ください。

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