個人研究

国語科: 中野 裕己

国語科: 中野 裕己

附属新潟小学校1年目です。

研究教科は,国語科です。今年度,2年生の担任となりました。

国語科「読むこと」領域において,物語教材を中心に研究をします。

低学年の子どもが,自ら問いを見出し,意欲的に追究する物語の授業を提案します!

これから,日々の授業実践や指導案等をアップしていきたいと考えています。

多くの皆様から御批正をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

語り合おう,物語の世界 -「ニャーゴ」(東京書籍2年下)-

2019.10.20

今年度,国語科「読むこと」の文学的な文章教材を研究領域として,実践研究に取り組みます。

私が文学的な文章教材で育成を目指す資質・能力は,

想像力

です。

今回は,「ニャーゴ」(東京書籍2年下)を教材として,研究授業を行いました。

以下のように,大きく三つの段階で単元を構想しました。

① 物語世界の概要を捉える。

各場面の内容,登場人物の行動,登場人物の人柄を検討し,内容を大まかに把握します。

② 物語世界について語り合う

物語世界の特徴を見いだし,その特徴を生んでいる登場人物の行動の理由について,考え語り合います。

「ニャーゴ」の物語世界の特徴は,猫がねずみを捕食することなく結末を迎えるという内容です。

子どもは,場面の様子に着目して

登場人物の行動の理由を想像する力を発揮して,

猫の行動の理由を考えます。そして,自分が理解したことの共有を図るために,思いや考えを伝え合おうとする態度を発揮して語り合います。

③ 読書を広げる

教科書教材の内容と,特徴が類似した文学作品を読み広げます。

このような三段階で単元を構成することによって,読書に関する知識・技能を育成することができると考えています。具体的には,教材文「ニャーゴ」のおもしろさを十分に味わうことによって,それを起点として読書に親しみ,いろいろな本があることを知ることができるのです。

それでは,研究の中核となる 「②物語世界について語り合う」 学習の様子をご紹介します。

子どもは,前時までに,物語世界の特徴として

「猫が子ねずみたちを食べなかったこと」

を見いだし,語り合う内容として設定しています。本時では,ねずみを食べなかった猫の考え方を想像し,語り合います。

語り合う内容を確認した後,次のように問いました。

この発問によって,子どもは,現実世界に生きる自分の考え方と捉えている場面の様子とを表出します。

黄色で示した発言には,現実世界に生きる子どもの考え方が,緑色で示した発言には,捉えている場面の様子が表れています。

さらに,互いの考えを交流することで,現実世界の考え方と場面の様子とを把握することを促します。

このように,子どもの発言を板書にまとめていきました。

そして,実際の登場人物である猫の言動を確認しました。

子どもは,同じ場面にも関わらず,自分たちと異なる言動をしている猫の考え方について,課題意識を高めます。このような子どもたちに,次のように問いました。

この発問によって,子どもたちは

現実世界の自分たちと異なる,物語世界の猫の考え方について,想像します。

場面の様子や自分たちとは異なる猫の人柄を基に,様々に想像する子どもたちの姿がありました。

このような子どもたちに,発揮した想像力の自覚を促すために,次のように問いました。

ここでは,アイパッドを用いて,ロイロノートアプリの思考ツール「クラゲチャート」を活用させました。想像した事柄(頭部分)と手掛かりとした言葉(足部分)の関係を視覚化することによって,関係付ける思考を促すことができます。

このように,「言葉を基に想像する」ということを自覚化することが,想像力の育成につながります。子どもは,今後の学習においても,手掛かりを大切にして想像するようになるのです。国語科においては,その手掛かりが言葉であるということになります。

何も手掛かりにせず自分の経験のみで行われる想像は,「空想」に過ぎません。事実を基に想像する力こそが「想像力」なのです。

今後,二月の初等教育研究会に向けて,さらに研究を進めていきます。

↓ご意見,ご感想をお待ちしております↓

(nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp)

文学的な文章でこそ育成すべき資質・能力とは・・・研究授業「お手紙」

2019.08.03

 今年度,国語科「読むこと」領域の文学的な文章教材を研究領域として,実践に取り組みます。 

 「読むこと」領域には,文学的な文章と説明的な文章という,大きく分けて2種類の教材があり,学習指導要領でも項目を区別して指導事項が示されています。

 では,文学的な文章でこそ育成すべき資質・能力とは,どのようなものでしょうか。

 それは,

「想像力」

であると考えます。

 「想像力」とは,未経験の事柄を思い描いたり,推し量ったり,予測したりする力です。文学的な文章の学習において,登場人物の行動の理由など,直接的には描かれていない事柄を読み取ろうとする過程で,「想像力」が育成されるのです。

 今回の研究授業では,「お手紙」(東京書籍2年上)を教材として,「かえるくんが,がまくんに,お手紙を書いたこととその内容を打ち明けた場面」を中心に,かえるくんの行動の理由を想像する学習を行いました。

 直接的に「かえるくんは,どうしてがまくんにお手紙のことを言ったのかな」と発問しても,子どもたちの想像は,「がまくんが,悲しそうだったから」,「がまくんに,何て書いたのか聞かれたから」などと,その場面の叙述に縛られた,短絡的かつ固定的なものになってしまいます。そこで,次のような2つの発問に改善して,進めました。

もしも,あなたがお話の中のかえるくんだったら,このときどのように行動しますか。

 この発問によって,子どもたちは,この場面に至るまでの場面の様子や自分の既有知識・既有経験を手掛かりとしながら,あり得る行動を想像します。

「私だったら,お手紙を出したことを言いません。がまくんは,お手紙を一度ももらったことがないから,言ってしまうとお楽しみの気持ちが減ってしまうと思います」

「ぼくも,言いません。ずっと励ましていたのに,ここで言ってしまったら意味がなくなるからです」

かえるくんが,みんなが想像した行動をしなかった(お手紙のことを言った)のは,どうしてですか。

 このように問うことで,子どもは,前の発問で手掛かりとした場面の様子や既有知識・既有経験を生かしながら,かえるくんの行動の理由を想像します。

「かえるくんがなぜしなかったかというと,今日待っていても来ていなかったのに,今日絶対に来るよって言ったってどうせ来ないからと思われるからです。かえるくんはずっとがまくんを励ましてあげていたけど無理で,書いたことを言わないと聞いてくれないと思ったんだと思います」

「多分かえるくんはがまくんはあきらめかけていて,もう何を言っても無駄になると思ったから,お手紙を出したことと内容を言ったと思います。ずっと励ましの言葉を言っていても多分玄関の前には行ってもらえないからだと思います」

 このように,複数の場面の様子や既有知識・既有経験を手掛かりとして,かえるくんの行動を豊かに想像する姿が見られました。

 今後も,様々な文学的な文章教材を用いて,子どもの想像力を育成するための働き掛けの在り方を研究していきます。

 ご意見,ご感想をお待ちしております。(nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp)

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