個人研究

国語科: 中野 裕己

国語科: 中野 裕己

附属新潟小学校2年目となりました。今年度は4年生を担任します。

研究教科は,国語科です。「読むこと」領域の物語教材を主として扱っていきます。

 

国語科は,言語能力の育成を目指す教科です。「話すこと・聞くこと」,「書くこと」,「読むこと」の三領域の指導を通して,螺旋的・反復的に言語能力を育んでいきます。

では,「読むこと」領域の,物語教材でこそ育成すべき言語能力とは,どのような力でしょうか。

 

私は,言語を手掛かりとして想像する力だと考えています。

 

物語を読み深めるに当たって,登場人物の性格,気持ちの変化など,直接的に描かれていない事柄を解釈する過程で,想像力が育成されるのです。

想像力は,予測困難な未来を生きる子どもたちにとって,新たな発想を生み出すための重要な力です。

物語の授業を通して,子どもの想像力を育成するために,研究を進めていきます。

 

また,研究を支える取組として,

〇 タブレット端末を活用した読みの交流

〇 発達段階に応じた読みの技術の明確化

〇 解釈と分析を統合する単元設計

についても,追究していきます。

 

今後、研究授業や日々の取組をアップしていきます。

ご質問、ご意見お待ちしています!

nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp

国語 × ICT 授業におけるICT活用のススメ

2020.08.06

オンライン授業の需要が高まったこともあり,現在教育のICT化が急速に進んでいます。

附属新潟小学校では,数年前から1人1台のタブレット端末を活用した授業実践に取り組んでいます。

今回は,私の専門教科である国語科において,ICTを取り入れた授業実践をご紹介します。

「夏の楽しみ」という4年生の単元です。

ここでは,夏を表す言葉の語彙を増すこと,言葉の響きやリズムに親しむことをねらいます。

ICTを活用しない授業では・・・

①〜④のように学習を進めることが一般的であると考えます。

授業を構想し子供の姿を想定する中で・・・

上掲のような子供の姿が生まれるのではと感じ,これらを改善したいと考えました。

そこで!子供たち一人一人のタブレット端末にダウンロードされている,学習支援アプリ「ロイロノート・スクール」を活用して授業を行うこととしました。

ロイロノート・スクールでは・・・

上掲のような機能を子供に活用させることができます。

ここでは,子供から「夏を感じる言葉」を入力したものを集め,集まった言葉を合わせて子供たち一人一人に配信しました。さらに,あらかじめ教師側の端末で作成しておいた俳句づくりの枠を配信しました。

子供たちから集めた「夏を感じる言葉」
教師側の端末で作成した俳句づくりの枠

そして,ロイロノート を活用した俳句の作り方を動画で説明しました。この動画は,教師側の端末で操作している画面を,「画面録画機能」で撮影したものです。

さらに,いくつか俳句を作成した子供たちに,次の動画を見せました。

「言葉の順序を入れ替える」という推敲を促す動画です。動画をみた子供たちは,

「順番が変わると全然違う」

と述べ,作成した俳句の推敲に取り掛かりました。

消しゴムや鉛筆を使う必要がなく,簡単な操作で言葉の入れ替えができるのは,このロイロノート ・スクールのよさと言えます。

作った俳句は,ロイロノート・スクールの機能で,「提出」します。

提出されたデータは,以下のように一覧で,子供それぞれの端末で見ることができます。

つまり,全ての友達の俳句を好きなだけ見ることが可能です。

授業の終末で,子供たちは次のように振り返りを記述しました。

今回ご紹介した実践のように,ICTを活用することによって,子供たちの学び方を改善することができます。

授業にICTを活用することで,最も大切なことは,

ICTを使うことが目的化しないこと

だと考えています。

ICTを使っても使わなくても,子供たちの学びに大きな影響がないのであれば,従来通りICTを使わない授業を行うべきだと考えます。

使う必要がないからです。(もちろん「トレーニング」として,ICTを使うことを目的化した時間も必要と考えます)

まず,従来通り,ICTを使わない授業をきちんと構想する,

そして,よりよい授業に改善するために,ICTの特性を生かすことができるのか,検討する。

このようなステップを踏んで,

ICTを「使っているだけ」

ではなく,

ICTの「教科の本質に迫る活用」

を目指していきたいと考えます。

ご感想はこちら→(nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp)

国語の授業,ICTの活用について,語りませんか?

宿題で,物語のメッセージをまとめる

2020.06.06

前回までの更新記事(第4学年 物語教材「一つの花」)

①物語教材「一つの花」教材分析の視点

/author/nakano/#4566

②「一つの花」実践編 「比較」と「対話」で発揮する想像力(2次−1)

/author/nakano/#4621

③「一つの花」実践編 「比較」と「対話」で発揮する想像力(2次−2)

/author/nakano/#4702

それでは,単元の終末となる3次の学習場面をご紹介します。


3次は,いわゆる活用の学習場面です。単元を通して学習してきた「一つの花」という物語について,自分の感想をまとめるのです。

したがって,「一人で物語と向き合う」学習になります。このような学習は,教室ではなくても可能です。

そこで,ワークシートと学び方プリントを配付して,宿題としました。

「読書郵便」は,相手を設定した活動です。

自分の感想を届ける相手がいるということで,子どもたちは意欲をもってきちんと取り組むことができます。

相手に読書郵便を届けた後,簡単な返事をもらえると,よりよい活動となります。

度重なる休校により時数が気になる現在,「家庭学習を活用したい」という先生方は多いのではないでしょうか?

一方で,「家庭できちんと取り組めるのか」不安に思っている先生方も多いことと思います。

もちろん,取組が乱雑になってしまったり,提出できなかったりする子どもは一定数いるでしょう。

「だから,ドリルや漢字練習など単純な宿題しか出さない」

私もそうでした。

しかし,いつ,また家庭学習を中心にせざるを得ない状況になるか分かりません。

自分で自分の学びをコントロールする力(自己調整力)を育てる必要があるのです。

創意工夫が必要な宿題を出して,子どもの取り組みを認め,自己調整力を育てていきたいと思います。

もちろん,すぐに育つものではありませんので,ゆったりとした気持ちで子どもの取組を受け止め,成長をフィードバックしていくことを大切にしていきたいです。

ご意見・ご感想をお待ちしております!国語について語り合いましょう!

nakano@fusho.ngt.niigata-u.ac,jp

ワークシート等はこちら↓ 自由にカスタマイズしてお使いください!

「比較」と「対話」で発揮する想像力2

2020.06.05

前回までの更新記事(第4学年 物語教材「一つの花」)

①物語教材「一つの花」教材分析の視点

/author/nakano/#4566

②「一つの花」実践編 「比較」と「対話」で発揮する想像力(2次−1)

/author/nakano/#4621

今回のご紹介する授業は,以下の教材分析を直接的に受けた,資質・能力を育成する核となる授業です。

2次 学習場面②「10年後のゆみ子の気持ちを想像する」

前回ご紹介した学習場面①と同様に,資質・能力を育成するためには子ども同士の関わりが必要であると判断したため,全体の対話活動を取り入れて授業を進めました。

今回,次のようにして単元を構想しました。

① 教材分析

② ターゲットとする資質・能力の設定

③資質・能力を育成する核となる授業の構想(今回ご紹介した授業)

④ 単元全体の構想

物語教材の単元を構想するときに,まず「単元のゴール」を設定することを大切にされている方は多いと思います。

学習に必要感をもたせるために,「単元のゴール」を設定することは大切です。

しかし,指導する教師の方が「単元のゴール」に気を取られすぎると,「この単元でどのような資質・能力を育成するか」という意識が薄れてしまうことがあります。

単元のゴールベイスではなく,資質・能力ベイスで授業や単元を構想することが,大切なのではないでしょうか?

次回の更新では,3次「物語のメッセージを解釈する」学習場面(宿題)をご紹介します。

ご意見・ご感想をお待ちしております!一緒に国語について語り合いましょう!

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「比較」と「対話」で発揮する想像力

2020.06.01

前回更新した記事「物語教材の教材分析の視点」の実践編です。

(前回更新した記事は,以下のリンクからご覧ください)

/author/nakano/#4566

4年生「一つの花」を教材分析して,次のように単元を構成しました。

標準時数7時間を4時間に短縮してしいますが,この単元構成は,

時数削減のみを目的としたものではありません。

物語教材「一つの花」で,どのような資質・能力を育成するかを明確にし,学習内容を精選することが,重要です。

それでは,ターゲットとした資質・能力を育成する2次の学習場面①をご紹介します。

2次 学習場面①「父や母のゆみ子に対する気持ちを想像する」

このように,資質・能力を育成するためには,子ども同士の関わりが必要であると判断したため,全体の対話活動を取り入れて授業を進めました。

 

現在,時数の制限,身体的距離の制限などによって,教室の学びを進めづらい状況にあります。しかし,教科書の内容をどんどん進める,講義型の授業で良いのでしょうか?私はそうは思いません。

育成すべき資質・能力に合わせた学習内容の精選

単元の中で「関わりの中で進めるべき内容」を見定める

この2つの視点によって,教室の学びを前に進めていきたいと考えています。

制限の中で見えてくることは,ネガティヴなことだけではないはずです。

次回の更新では,2次の学習場面②「結末部(10年後)のゆみ子の気持ちを想像する」をご紹介します。

ご意見・ご感想をお待ちしております!国語について語り合いましょう!

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物語教材の 教材分析の視点

2020.05.31

全国の多くの自治体で学校が再開され,教室に子どもの声が戻ってきました。

つまり,教室の学びが戻ってきたのです。

しかし,いつも通りに単元を計画し授業を進めていくことは,難しいと言わざるを得ません。

そこで,学習内容を精選し,ターゲットとする資質・能力を明確にするための教材分析の在り方について,提案します。

教材分析の視点

4年生「一つの花」では・・・

単元の構成

このように,教材を分析した上で学習内容を精選し単元を構成することが重要だと考えます。

私たち教師が目指すことは,教科書を終わらせることではなく,教科書(教材)で資質・能力を育むことです。

今後,「単元の核」の部分を中心に,授業の実際をアップしていきます。ぜひご覧いただき,休校明けの指導の参考にしていただけたらと思っています。

ご意見・ご感想,お待ちしています。

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オンライン学習支援③ 〜「春」の単元〜

2020.05.08

国語科には,どの教科書においても,季節に関わる単元が設定されています。

当校が使用している光村図書(4年上)では,4月の後半に「春の楽しみ」という単元があります。

しかし,当校は4月の中旬から臨時休校となったため,教室の授業で実施することができませんでした。

せっかくの季節感溢れる単元を,その季節が終わってから学ぶのは,もったいない・・・

そこで,オンラインで「春の楽しみ」という単元の学習を行いました。

今回も,双方向的なやり取りを複数サイクル行って,オンライン学習を進めます。

まず,春に関わる言葉を繋げながら集めました。

次に,言葉と言葉のつながりを意識しながら,自分の問いを設定しました。

そして,自分の問いについてインターネットで調べ,レポートにまとめました。

学習のゴールとして,ZOOMを使った交流を行いました。友達が調べたことからたくさんの気づきを得た子どもたち,感想を生き生きと交流しました。

子どもの学びは,環境に大きく左右されます。

今回の「春の楽しみ」の単元は,春に行うからこそ,生き生きとした言葉の力を生むのです。

また,環境は時期だけを指す言葉ではありません。

家で過ごす時間が長い

という,例年と比べて春を感じにくい環境に置かれている子どもたちが,

今回の学習を通して春を感じてくれれば,喜ばしいことです。

オンライン学習支援②〜説明文Ⅱ〜

2020.05.06

説明文「アップとルーズで伝える」(光村図書4年上)

前回は,説明文の初めの感想の交流を促す学習場面について,オンライン学習支援の取組をご紹介しました。

↓前回の更新「オンライン学習支援②〜説明文〜

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今回は,説明文の分析的な読みを促す学習場面について,ご紹介します。

ここでは,以下のようなねらいで学習を行います。

オンライン学習は,「ロイロノートスクール」というアプリを介して,以下のような流れで進めます。

このような教師と子どもとの双方向的なやりとりを,複数サイクル行って1時間のオンライン学習を進めます。

分析的な読みを促す学習場面① 対比して読む

サイクル1 段落をアップとルーズで分ける

子どもが各段落の内容をつかむための活動です。

教師からの働き掛けは,上掲のようなカードを子どもに送信することで行います。

カードには,イラストや文字の他に音声を添付することができます。

カードに教師の声を添付することで,子どもたちは教師との「つながり」を感じながら学ぶことができます。

子どもたちは,カードに自分の考えを入力し,教師に送信します。

子どもたちが送信したカードは,教師の端末に一覧で表示されます。

また,教師が「共有」の設定をすれば,子どもたちの端末にも一覧で表示することができます。

サイクル2 「ルーズ」の良さを説明する

子どもが5段落(「ルーズ」の説明)に着目し,その良さを理解するための活動です。

ここでは,子どもたちが各段落の内容を把握したことを受けて,初めの感想で興味をもった段落のグラフを再び提示しました。

そうすることで,初めの感想で,「アップに興味をもった人が多く,ルーズに今日にをもった人は少ない」ということが明確になります。

そのことを踏まえて,「ルーズ」にはどのような良さがあるのか,という発問を送信しました。

教室では,このようなことを子どもとのやり取りで進めていきますが,オンラインでは,教師が提示する形で進めることになります。

サイクル3 「アップとルーズはどちらも良いものである」という教師が提示した主張について,自分の考えを説明する。

子どもが,4段落(アップ)と5段落(ルーズ)とを対比して読むための活動です。

教師:文字,イラスト,音声を活用した発問カードを送信
子ども:自分の考えを説明したカードを送信

サイクル1〜2と同様に,教師は文字,イラスト,音声を活用した発問カードを送信します。

子どもは,自分の考えを説明したカードを送信します。

そして,それらは教師の端末と子どもの端末に一覧で表示されます。

サイクル4 解説を聞き,学習を振り返る。

子どもが学習をふり返り,発揮した資質・能力を自覚するための活動です。

教師:文字と音声を用いた解説カードを送信
子ども:ノートの記述を撮影して送信

教師は,文字と音声で,1時間の学びをまとめる解説カードを送信します。

子どもは,それを受けて,学習のふり返りをノートに記述し,撮影して送信します。

子どもがタイピングに慣れていない場合,長文をカードに入力することは大きな負担となります。必要に応じてノートを活用させることが有効です。

このように,双方向的なやり取りを通して,

4段落(「アップ」の説明)

5段落(「ルーズ」の説明)

これら2つの段落を対比して読むことを促し,「アップ」と「ルーズ」の良さを明確にしていきました。

分析的な読みを促す学習場面② 類比して読む

次時には,以下のように説明や発問を送信して,

7段落(新聞の事例)と1〜6段落(サッカーのTV放送の事例)とを類比して読むことを促しました。

対比して読む学習場面と同様に,双方向的なやり取りを複数サイクル行って,

異なる事例を扱っている7段落の良さを明確にしていきました。

分析的な読みを促す学習場面③ まとめ動画

さらに,2時間のオンライン学習で学んだことを,動画にまとめて子どもたちに送信しました。

この動画は,2時間の学習を受けて,説明文「アップとルーズで伝える」を対比して読むこと,類比して読むこと,の具体について解説しています。

動画は,テロップや効果音を挿入する,無駄な箇所を省くなど,簡単に編集したものを用います。

子どもにとって,担任の先生が出演している動画は,特別なものです。そのことに加えて,テンポよく動画が進むように編集を加えることで,子どもは集中して動画を視聴することができます。


文字,音声,イラスト,動画など,様々な方法で子どもたちに働きかけることで,子どもたちは,教師との「つながり」を感じながら学びに向かうことができます。さらに,共有機能の活用によって,友達との「つながり」を感じながら学びに向かうことができます。

また,ノートの活用や動画の送信の部分で触れたように,子どもが集中して取り組むことができるようなユニバーサルな視点も大切です。

つながりを生む

ユニバーサルな視点

これらは,教室での学びにおいても同様のことが言えます。

オンライン学習と教室での学びは,決して別のものではありません。

オンラインだからこその部分,教室だからの部分を十分意識しながら,どちらにおいても本質的な部分を大切にして授業を創っていきたいと思います。

今後もオンライン学習の実践について,紹介していきます。

↓ご意見・ご感想をお待ちしています。

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オンライン学習支援②〜説明文〜

2020.04.27

今回も,国語科のオンライン学習支援の取組をご紹介します。

↓前回の更新「オンライン学習支援①〜音読指導〜」↓

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説明文「アップとルーズで伝える」(光村図書4年上)

私は,読むこと領域(説明的な文章教材,文学的な文章教材)においては,以下のような単元モデルで指導を構想しています。

説明文「アップとルーズで伝える」においては,以下のように単元を計画しました。

発展的な活動は,終わりの感想の前に設定しました。読みの深まった子どもが発展的な活動に取り組むことで,終わりの感想において,文章への気付きがさらに広がると考えたからです。

初めの感想の交流は,以下のようなねらいで行います。

今回は,このような初めの感想の交流をオンラインで行います。

具体的には,タブレット端末に教師が発問や指示を送信し,子どもが自らの考えを記述したものを返信する,といった形になります。

以下の表は,学習の進め方について,教室の学習とオンラインの学習とを比較したものです。基本的な流れは教室での進め方を踏襲しながら,オンラインで学習を進めていきます。

まず,グーグルフォームを活用し,デジタルアンケートで子どもたちの初めの感想を集約します。

※グーグルフォームは,アンケートの結果を自動で集計・グラフ化してくれるデジタルツールです。

教室では,教師が子どもの感想をコントロールしながら交流を進めることができます。

一方で,オンラインでは,多様な感想を,子ども自身で読んでいかなければなりません。子どもにとって,膨大な量の感想を読むことは,大変な負担です。

したがって,子どもが少しでも友達の感想を把握しやすいように,

なるほど,おもしろいと思った段落

をアンケート形式で集約することにしました。そして,以下のようにグラフ化して,子どものタブレット端末に送信しました。

グラフ化されていることで,自分と同じ段落に着目した友達の数,自分と違う段落に着目した友達の数を把握しやすくなります。そして,「○段落を選んだ友達の理由が知りたい」といったように,理由の記述を見るときの見通しをもつことができます。

さらに,以下のようにして,理由の記述もタブレット端末に送信します。

このようにして,初めの感想の交流をオンラインで行います。

その後,気づいたことをノートに記述させ共有を図ります。

ここでは,ロイロノートというアプリの提出機能を活用します。子どもは,クラウド上の「提出箱」に,自分が記述したノートの写真を保存します。教師が「共有」ボタンをタップすると,子ども同士でお互いのノートの写真を見合うことができます。

上掲のように,子どもたちは,自分と友達の「初めの感想」を比較したり,全体の「初めの感想」の傾向を見たりして,説明文に対する追究の意欲を持つことができました。

以下の表は,オンラインの「初めの感想の交流」の成果と課題について,「教室での進め方」と比較する形で示したものです。

オンラインでは,学び方を子どもに委ねる部分が大きくなります。

そのことが,従来の教室での学習から見た,大きな違いの一つだと考えます。

この違いがメリットとして働きやすくなるように,

子どもが「やりたい!」「できそう」と思う課題

子どもが取り組みやすくなる指示や教材の提示

を,今まで以上に工夫していく必要性を感じています。

次回は,説明文「アップとルーズで伝える」の「分析的な読みを促す学習場面」について,オンライン学習支援の具体をご紹介します。

↓ご意見・ご感想をお待ちしています。

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オンライン学習支援① 〜音読指導〜

2020.04.23

 附属新潟小学校では,休校中の子どもたちのために,オンライン学習支援を行っています。

 私の専門教科である国語科の取組を,ご紹介します。

オンライン学習支援 〜音読指導〜

 子どもに,自分が音読している様子を動画で撮影し,送信するように指示を出します(動画撮影時の背景について,十分指導する必要があります)。

 普段の教室では見とることのできない,子ども一人一人の音読の力を見とることができます。

 さらに,教師の見とりを子どもにフィードバックします。

 上の画像では,三つの例を示しました。子どもの発達段階や理解によって,適切な方法でフィードバックしていきます。

 教師の作業量を考えると,文章によるフィードバックから徐々に観点化したものへ移行していくことが望ましいと考えます。

 また,あらかじめ録音しておいた教師の音声を活用する方法も有効だと考えます。

 具体的には,教材とする文章をデータとして取り込んでおき,教師が音読した音声を貼り付けた教材を準備しておきます。それを子どもに送信して,教師の声と揃うように音読したり,教師の声と交代で音読したりするよう指示をします。

 教師の音読を聴くことは,大切な学習です。正しい語のまとまり,聴き取りやすい声の調子など,教師の音読によって,子どもたちの言語感覚を鍛えることができます。

 オンラインの音読指導では,あたかも一対一かのように,教師の音読を聴いたり,一緒に音読したりすることができます。

オンラインのメリット・デメリット

 オンライン学習支援には,教室では実現が難しいような,メリットもあるのです。仕方なくオンラインの支援を行うのではなく,オンラインだからこそできることを考えていくことが大切です。

 そして,オンラインの支援を通して,教室での学びも見直していきたいと考えています。

 次回は,説明文「アップとルーズで伝える」のオンライン学習支援についてご紹介します。

 ↓ご意見・ご感想をお待ちしています。

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初等教育研究会「語り合おう,昔話の世界」

2020.01.13

2月6日(木)7日(金)の初等教育研究会では,文学的な文章を教材とした授業を公開します。

みなさんは,文学的な文章を指導するときに,どのようなことを大切にされていますか?

きちんと学習用語を身に付けさせて系統的に指導すること,一人一人が解釈をもてるように指導すること,日常の読書につながるように指導すること,など様々だと思います。

私は次のように考えています。

このことは,文学的な文章に元々そなわった「教材の力」であり,読書の楽しみ方の1つとも言えるのではないでしょうか。

物語世界の登場人物は,時として私たちがびっくりするような行動をします。

例えば次のような行動です。

子どもたちが生活経験の中で育んだ考え方やものの見方では,考えられない行動と言えます。

このような登場人物の行動を理解するためには,考え方やものの見方の更新が必要です。

そのために必要な資質・能力が,想像力であると考えています。

ここで言う「想像力」とは,未知の事柄を思い描いたり推し量ったりする力を指します。

来年度から全面実施される学習指導要領にも,文学的な文章の指導事項として系統的に示されています。

これらは,説明的な文章との大きな差異であり,「想像力」は文学的な文章でこそ育成すべき資質・能力であると言えます。

したがって,私は,以下のように考えて文学的な文章の指導を構想しています。

登場人物の行動の理由について,言葉を基に想像する力の発揮を促します。

そうすることで,子どもは,生活経験の中で育んだ考え方やものの見方を更新し,物語世界を理解することができるのです。

これまでの文学的な文章を教材とした授業における子どもの姿を紹介します。

2月6日(木)7日(金)の初等教育研究会では,

〇 特定の場面を越えて,文章全体の言葉に着目する

〇 自らの言葉で行動の理由を語る

このようにして豊かに想像する子どもの姿をご覧いただきたいと思います。

読むこと大好きな二年生の子どもたちと,参会者の皆様をお待ちしています!

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