個人研究
総合:
本間 大樹
附属新潟小学校3年目です。本間 大樹(ほんま だいき)と申します。
今年度は6年生を担当します。
総合的な学習の時間の振り返りで,子どもは次のように話しました。
「総合には教科書がありません。だから,その年,そのクラスの人によって学習する内容や活動がちがってきます。教科書がないので確かな答えがありません。だからこそ,自分たちで答えをつくることができます。そこがおもしろいです。」
70時間の単元を通して,何を学びどのような力をつけていくのか,総合的な学習の時間における子どもの学びについて研究しています。
一緒に総合学習の単元づくりについて考えませんか。
研究のキーワード
「自己探究学習」「リフレクション」「ガイドブック」
ご意見,ご相談など,気軽にご連絡ください。
honma@fusho.ngt.niigata-u.ac.jp
総合学習の単元づくり
2024.09.07総合的な学習の時間(以下:総合学習)において,子供の次のような姿が印象に残っています。
私の私見ですが,総合学習では,学校の特色を活かして,子供の「生きる力(答えのない社会で意思決定し,行動する力」を育成することが大切だと思います。そのために,子供たちの責任ある判断や行為によって,「私たちが考えたことが,こんなことにつながるんだ」「ぼくたちにも社会を変えるきかっけがつくれるんだ」という経験を積ませるができたらいいなと思っています。そこでの手応えが,社会に参画していこうとする態度の形成につながっていくと考えます。
今回提案する単元づくりのポイントは4つです。 上二つが,カリキュラムマネジメントの視点で,下二つが,子供がどのように探究していくかという視点です。 丸印に番号を振っていないのは,これらの視点で行き来しながら教材研究をして題材を選び,単元を構想していくのが大切だと考えるからです。
その上で,70時間の単元として,子供の探究がどのように進んでいくか想定しながら,小単元を構想していきます。
表現が適切かどうかは検討しているところですが,例えば,次のような子供の探究の質の変化を考えます。
・知る,調べる・体験するから表現するへと,思考が高度になっていくか。
・和菓子や樽砧,生き物など,ものそのものから,それを生み出す職人技や思い,生き物がすむ周囲の環境へと関心が広がり,やがて自分がそれにどう関わるかと,学習対象が自分事化されていくか。
・また,和菓子と樽砧,水辺と松林の生き物など,テーマは同じだが異なる題材で学習を進めていくことで,探究課題の理解の深まっていくか。
・そして,最初は教師が学習をリードして進めていくが,途中からはフォローに周り,最後は子供が自分でスタートと,子供が自分で学び進めていけるか。
・この他,子供が働き掛ける対象を拡大しいくか,または,しぼって焦点化していくかなども考えます。
これらの子供が探究していく姿を想像しながら,目指す子供の姿に近付けるように,小単元が連なる70時間のストーリーを構想していきます。
一つ目のポイントの「子供に付けたい力は何か」を考えるときには,私はまず,総合学習の全体計画を見ます。 全体計画をもとに,学校の教育目標として目指す子供の姿や学年の子供の実態を踏まえて,付けたい力を明確にしていきます。
二つ目のポイントは「教育目標やカリキュラムとの関連」です。 教育目標で目指す子供の姿に近付くために,他教科との横断で子供の学びを深めることができないか,また,子供に十分な活動の時間や場所を保障することができないか,カリキュラム全体の中での関連を考えます。
例えば,総合学習での学習内容をもとに,発表や書くことを国語科の単元でするということや,他教科の学習での発見や問いを総合学習でさらに探究していくという構想もありではないかと考えます。
三つ目のポイントは「子供に付けたい力を育成する場は保障できるか?」です。体験して得た気付きや経験,新たに生まれた問いが子供たちの探究をさらに進めていくと考えます。
そこで,学習協力者に子供の探究のどの場面でどのように関わっていただくか,また,子供の思考に合わせて活動内容や表現の場の選択肢をつくれないかということを考えて,協力者と打ち合わせをしていきます。子供の思いや願いに寄り添えるように様々な可能性を考えたいところです。
四つ目のポイントは「子供が学んでいくストーリーは描けるか」ということです。ここまで,構想してきたのだけれど,本当に子供が探究していく過程が描けているか,教師の都合のよい探究イメージになっていないか,見直すことが必要だと思います。私は正直,そうなってしまっているなと感じることがあります。70時間を構想するって難しいですよね。
GATA-PLUS⁺【総合学習】や初等教育研究会で,皆様と総合学習についてお話しできたらと願っております。
変えるきっかけ -わたしたちが今,ここから未来へつなぐ伝統-
2023.02.03和菓子や和菓子職人の太田さんとの出会いをきっかけに,伝統あるものに興味をもち始めた子供たち。樽砧(たるきぬた)も,伝統という視点で見るようになっていきました。
小単元Ⅱでは,音楽で学習する樽砧を題材に,永島流新潟樽砧伝承会の岡澤花菜子さんと学習活動を展開していきました。